訪問美容と介護保険の関係とは!?美容師が介護保険制度を知るうえで欠かせない3つのポイント
訪問美容サービス「GO!CHOKI(ゴーチョキ)」です。
皆さんは、「介護保険制度」についてご存じでしょうか?
訪問介護や、その他医療福祉サービスを利用するうえで、この介護保険制度は今や欠かせないものになってきています。
基本的に「訪問美容は介護保険適用外サービス」ですが、理美容チケットを発行している自治体もあります。
なんだか少しややこしいですよね…。
今回はそんな「介護保険制度」について、どういった制度でどのような人が利用できるのか、介護保険サービスが利用できる場合、どのような手続きが必要なのかについて、美容師として最低限おさえておきたいポイントをまとめてみました。
Contents
まずは知っておこう!介護保険制度の基本知識
まず初めに、介護保険制度が出来た経緯と背景について、解説いたします。
現在、日本は「超高齢化社会」「人口減少社会」と呼ばれる社会問題に直面しており、高齢者が年々増加していくことによって「家族による介護は機能しない」と言われるようになってきました。
そこで、「社会全体で高齢者を支えるための制度」として、2000年の「介護保険法」の施行とともに「介護保険制度」が出来ました。
これから、更に高齢者が増えていくに伴って、受けられるサービスも増えていくのではないか、とも考えられています。
利用するには、各市町村の認可が必要
介護保険制度を利用するには、お住まいの市町村への申請が必要です。
市町村への申請をすると、調査員が申請者のお宅を訪問し、「介護レベル」を設定するための診断を行います。
介護レベルとは「要支援1~2」「要介護1~5」に分類されるもので、「どの程度の介護・援助を必要としているか」を決定する指標です。
これによって、どの程度のサービスを受けられるかが決まります。
訪問美容では、介護保険を利用する高齢者との関わりが多いです。
訪問美容を始めるのであれば、この介護保険制度は大きく関わってくることになりますので、最低限のポイントはおさえておく必要があるでしょう。
では続いて、美容師が介護保険制度を知るうえで欠かせないポイントについて見ていきましょう。
美容師が介護保険制度を知るうえで欠かせない3つのポイント
訪問美容において、「介護保険制度を本当に知っておくべきなのかわからない」と考えている美容師の方も多いのではないでしょうか。
先ほども少し触れたように、介護保険制度の知識は訪問美容において、とても重要な制度です。
中でも、美容師が介護保険制度を知るうえでは以下の3つのポイントが欠かせないでしょう。
- 1.訪問美容の利用者の割合はどうなっているか
- 2.要介護・要支援レベルとは何か
- 3.訪問美容でも介護保険が適用されるのか
これらのポイントが欠かせない理由について、詳しく解説していきます。
【1】訪問美容の利用者の割合はどうなっているか
訪問美容を受けられる対象となる人は、「疾病やその他の理由で外出が困難とされる人」と決められています。
しかし最近では、妊娠・育児、介護によって外出が困難な方も訪問美容を受けられるようになりました。
なので、利用者の割合や、どういった人が訪問美容を利用しているのかについては、常にアンテナを張っておくことが大切です。
現在、訪問美容を利用する人のほとんどは高齢者
しかし、訪問美容を利用する人のほとんどが、自宅や福祉施設で介護を受けている高齢者です。
今や高齢者のほとんどが「介護保険」に加入していると考えられるので、介護保険に関する知識は不可欠であると言えるでしょう。
【2】要介護・要支援レベルとは何か
訪問美容では問い合わせや予約の際に、お客様の状態を出来る限り把握しておく必要があります。
介護保険に加入している高齢者に施術する場合、予約の連絡は担当のケアマネージャーや介護をしている親族であることが多く、施術を受ける本人と接する機会は、実際に訪問した時が初めてになるケースがほとんどです。
要介護・要支援レベルをもとに、お客様の状態がある程度把握できる
「要介護レベル」「要支援レベル」とは何かが分かっていることで、予約時のやり取りがスムーズになり、お客様の状態が的確に把握できる事にも繋がります。
冒頭でも説明したように、要支援レベルは2段階、要介護レベルは5段階に分けられます。
以下に、簡易的な表を記載しています。
「早見表」としてもお使いいただけるかと思いますので、是非参考にしてみてください。
要支援・ 要介護レベル | お客様の状態 |
要支援 | |
レベル1 | 社会的支援を要する状態 日常生活は一人で行えるが、 掃除など一部の作業において支援を必要としている状態。 食事・排泄は一人で行える。 |
レベル2 | 社会的支援を要する状態 要支援レベル1に比べ、日常生活に衰えが見られる状態。 食事・排泄はほとんど一人でもできるが、着替えや掃除等に援助が必要。 |
要介護 | |
レベル1 | 部分的な介護を要する状態 日常生活においては要支援レベル2と同等もしくはやや衰えた状態。 一部の日常生活(外出時)等に、問題行動が見られることがある。 |
レベル2 | 軽度の介護を要する状態 日常生活のほとんど(食事・排泄にも)に見守りや手助けが必要な状態。 一部の日常生活(外出時)の問題行動が見られることがある。 その他、記憶力や理解力にも低下が見られる。 |
レベル3 | 中等度の介護を要する状態 日常生活だけでなく、立ち上がりなども一人で出来ない状態。 排泄にも介助が必要で、いくつかの問題行動が見られることがある。 要介護レベル2に比べ、記憶力や理解力も低下している。 |
レベル4 | 重度の介護を要する状態 日常生活だけでなく、立ち上がりなどが困難な状態。 日常生活での全面的な介助、食事にも一部介助が必要。 要介護レベル3に比べ、記憶力や理解力が低下し、 多くの問題行動が見られることがある。 |
レベル5 | 最重度の介護を要する状態 日常生活だけでなく、立ち上がりなどが困難な状態。 日常生活全般における全面的な介助がなければ生活ができない。 記憶力や理解力の著しい低下や、多くの問題行動が見られることがある。 |
【3】訪問美容でも介護保険が適用されるのか
多くのサイトでは、「訪問美容は介護保険適用外サービス!」としていますが、実は介護保険が適用される場合があります。
どのような場合に介護保険が適用されるのかを見ていきましょう。
自治体によって「理美容チケット」が発行出来ることがある。
各自治体によって、要介護の高齢者に対して「理美容チケット」を発行していることがあります。
◆理美容チケットとは:発行基準は自治体によって異なる
市役所などに申請・発行してもらうことで、美容費などを一部負担してもらえるようになる書類です。
発行してもらえる要支援・要介護レベルや制度の内容は、自治体によって異なることがあるため確認が必要です。
お客様の方で、事前に手続きをする必要がありますので、あらかじめ自治体に内容などを確認しておき、実際に予約があった際に「この地域では、介護保険が適用される可能性がありますよ!」と促すのも良いでしょう。
以上が、介護保険についておさえておくべき3つのポイントとなります。
まとめ:美容師としておさえておくべき介護保険制度の知識は難しいものではない
今回、訪問美容での介護保険制度のあり方について解説いたしました。
介護保険制度の特徴としましては以下の通りです。
- ・社会全体で高齢者を支える制度
- ・訪問介護など、居宅の介護サービスには欠かせない
- ・医療福祉だけでなく、美容サービスにも適用されることがある
介護保険制度は、今後も時代の流れによって規模や内容、対象となる人の基準が変化していく可能性が高い制度です。
変更・改正があった際には、どのように変わったのかをしっかり確認しておくようにしましょう。
また、訪問美容を始める際「美容師として介護保険制度を知るうえでおさえておきたいポイント」について、以下の3つを紹介しました。
- ・訪問美容の利用者の割合はどうなっているか
- ・要介護・要支援レベルとは何か
- ・訪問美容でも介護保険が適用されるのか
これらも、介護保険制度そのものの変化に合わせて、必要な知識も変化していくものだと思います。
そのため、時代の流れに合わせた事業展開が大事になってきます。
地域ごとの違いも多くあるので、各自治体への問い合わせなども欠かさず行うようにしましょう。
また、今回紹介した介護保険制度や、訪問美容を始めるうえで欠かせない知識などを提供する研修を行っている団体もありますので、チェックしてみてくださいね!