要介護者・高齢者の方に信頼される&自分も辛くない接し方5つ│ご家族との接し方も紹介
・仕事で要介護の方・高齢者の方と接する機会が多いが、どうやってコミュニケーションを取ればいいかわからない。
・要介護の家族に対してイライラしてしまい、接し方に悩んでいる。
・ジェネレーションギャップを感じすぎて、一体何を話せばいいか見当がつかない。
今回はこういった悩みを抱える介護従事者やご家族の方に向けて「要介護者・高齢者の方に信頼される接し方」について解説いたします。現在、コミュニケーションに苦労されている方、辛いと感じている方はぜひご覧ください。
Contents
要介護者・高齢者との接し方に悩む人は多い
このページを皆さんが閲覧してくださったように、要介護者・高齢者の方とのコミュニケーションで悩まれている方は少なくありません。実際にどんなお悩みがあるのか、本音を覗いてみました。
実家暮らしで、祖母の面倒が精神的にきついです。
祖母は自分でお風呂に入りたいようで、私が「一人では危ないからよして欲しい」と言ったら、逆鱗に触れたらしく荒れてしまいます。言い方が良くなかったと反省していますが、それでもこのレベルの発言で沸点に達してしまう祖母に、どう接すればいいでしょうか。
(ヤフー知恵袋より)
看護実習へ行き、認知症の方とコミュニケーションをとりました。私は話を聞く側に回ってしまってあまり発言できず、患者さんがずっと話して私が相槌をうっている状態でした。
高齢者とのコミュニケーションがうまくとれません。世間話など軽く話をしたいのですが、会話のネタに困ってしまいます。
(ヤフー知恵袋より)
高齢者と接していく上で、いつも難しく思うことがあります。
“歳を取ると気が短くなる”と言いますが、70・80代の方が、理不尽としか言えない理由で怒ることが多く、「そうですよね」としか言ってあげられないことが多くあります。
(ヤフー知恵袋より)
大好きなのにおばあちゃんとの接し方が難しいです。イライラしてしまうんです。どうしたら優しい気持ちで、おばあちゃんと接する事が出来るんでしょうか… おばあちゃんと自然に会話したいです。
(ヤフー知恵袋より)
このように、高齢者・要介護者の方とコミュニケーションを取る上では
・優しく接したいのに、ついイライラしてしまう
・理不尽なことで怒られ、接するのが辛い
・そもそも何を話題に会話していいかがわからない
といった理由で悩まれている方が、数多くいらっしゃることがわかります。
要介護者・高齢者の方に信頼され、自分も苦しくない接し方5つ
要介護者・高齢者の方に悪気がない、仕方ないとわかりつつも、上手く意思疎通ができないことや理不尽な行為に、気落ちしたりイライラしてしまうこともあると思います。
そんなご自身の気持ちも大切にしつつ、高齢者の方にも信頼してもらうためのコミュニケーションで気を付けたい5つのポイントをご紹介します。
1.大きめの声・落ち着いた声・分かりやすい言葉選びを意識
まずはテクニック的な項目ですが、高齢者・要介護者の方との会話で困る要素に「耳が遠くて聞こえづらい」というものがあります。そういった方とのコミュニケーションでは
・大きめの声でハッキリと話す
・落ち着いた(高すぎない)トーンでゆっくりと話す
・口元を見せながら話す
・わかりやすい言葉選びをする
を意識することが重要です。
難聴の方は「高周波(高い声)」が聞き取りづらいため、声色は少し落ち着いたトーンを意識するのが重要です。女性で声が高い方は、とくに普段より低めの声を心がけましょう。
また意外と伝わりづらいのが、私たちが当たり前に使っているカタカナ用語です。「ルール」ではなく「決まりごと」、「ヘアカット」ではなく「散髪」など、言葉をわかりやすく言い換えて伝えるのも、伝わりやすい会話の技として有効です。
また難聴の方は相手の口の形を見て、言葉を認識されている場合も多いです。可能であれば口元を見せながら、あるいは身振り手振りを交えながら、ゆっくりと話しかけることを意識しみてください。
2.「傾聴」「共感」を意識する
高齢者・要介護者の方に限らず、人は「相手が自分の話に興味をもってくれている瞬間」や「共感してくれた瞬間」に、相手に好意や信頼をもつ傾向があります。
よって高齢者・要介護者の方と接する際には「熱心に」「共感を示しながら」相手のお話しをしっかりと聞く姿勢が重要です。「うんうん」「そうなんですね」「すごいですね」「へえ」など、相手の目を見て、相槌を打ちながら会話に臨みます。
高齢者・要介護者の方との会話では「その話、もう何回も聞いたな」という場面もありますが、初めて聞いた時と同じように、熱心に聞くと相手も喜んでくださいます。
3.「笑顔」や「リアクション」など、視覚でのコミュニケーションも意識
人は相手の気持ちを汲み取るとき、言葉の内容だけではなく相手の表情や態度をみて「楽しいのかな」「怒っているのかな」といった感情を判断します。
・しっかり相手の目を見て話す
・笑顔で楽しそうに話す
・身振り手振りも使って話す
・口元を見せ、視覚的に言葉が伝わるように話す
こういったことに意識し、自分自身も「会話を楽しんでいる」ことを伝えることで、高齢者・要介護者の方もあなたとのコミュニケーションを居心地よく感じてくださるでしょう。
4.「特別」を意識し過ぎない
ご高齢者・要介護者の方と何を話せばいいか、どう接すればいいかがわからず、緊張したり話題に困ってアタフタしたり……といった場面もあるかもしれません。しかし年齢を重ねていたり、身体が不自由であったりすることで「特別に扱おう」とするより、むしろフランクに自然な接し方をする方が、実はお相手に喜ばれるケースも。
イメージとしては、自身のおじいちゃん・おばあちゃんに接するイメージで、堅苦しくない会話を楽しめば問題ありません。
5.相手への「尊重」は忘れない
堅苦しすぎる、あるいは緊張する必要はないといいましたが「相手を思いやり、大切に接しようとする気持ち」は忘れないようにしましょう。ときには会話が噛み合わなかったり、理不尽な行為を受けたりして、苛立ちを覚える瞬間もあるかもしれません。
しかし高齢者や要介護者の方にも「耳が遠くなっていたり」「ちょっと気持ちが落ち込んでいたり」「思い通りにいかなくて苛立ってしまったり」といった、それぞれの事情があったりされます。
「人生をたくさん生きてこられた先輩」として尊重の意識をもって接すると、あなた自身の感じ方にも変化があるかもしれません。
高齢者・要介護者の方に、どんな話題で話しかけたらいいの?
高齢者や障害者と話すとき、どんな話題がいいですか?私は人と話すのが苦手で、よくしーんとした空気が漂ってしまいます。。
(ヤフー知恵袋より)
実は多いのが「どういった話題で話しかければいいかわかりません」「ふとした沈黙が辛いです」といった、話題のネタに関するお悩みです。
折角話すのであれば、高齢者・要介護者の方が興味をもって、楽しくお話できる話題がいいですよね。おすすめのネタとしては、以下のようなものがあります。
・出身地や地元の話
・昔の思い出話
・食べ物の話
・季節ごとのイベントの話
・いまハマっていることや楽しみ・趣味の話
・好きな芸能人や歌手の話
・生活や人生の知恵を教えてもらう
・時事ニュースやオリンピックなどの話
とくに高齢者・要介護者には、幼少期・若かった頃のことを、楽しくイキイキとお話しされる方が多い印象があります。
「○○さんの地元ってどんなところですか?何が美味しいんですか?」
「幼少期の○○さんって、どんな子どもさんだったんですか?」
「○○さんって昔、どういったお仕事をされていたんですか?」
会話に困った際は、こういった話題をさり気なく振ると、お相手が楽しそうにお話ししてくださるかもしれません。
逆に「ご家族の話題」や「プライベートな話題」は、一歩誤れば相手を不快にさせるケースもあります。お相手から話題にされない限り、こちらから立ち入るのは控えるのが無難です。
要介護者・高齢者のご家族に信頼される接し方
この記事を読んでいるのが介護職に従事されている、あるいは何かしら介護や高齢の方に関連するお仕事をされている場合、そのご家族様ともコミュニケーションを取る機会があるのではないでしょうか。
高齢者や要介護者の方のご家族に、信頼されるための接し方・コミュニケーションについてもお話しします。
まずは「ご家族側の苦労」を理解する・共感する
ご家族の方との会話で、ご本人との接し方や介護に関して、ネガティブな言葉や相談を持ち掛けられたときは、基本的に否定をせずしっかり傾聴することを意識しましょう。
実はご家族も周囲に相談ができなかったり、介護疲れに孤独を感じられていたりするものです。苦労されている様子を察したら「大変ですよね」「そういったとき、辛いですよね」と、ねぎらいや共感の言葉を伝えましょう。
あくまでご本人に対する愚痴・ネガティブな発言に共感するのではなく、介護やコミュニケーションでの苦労や疲れ、ストレスに対し「わかりますよ」という態度で接します。
ご本人のことを小まめに正しく報告する
ご家族の方だからこそ、高齢者・要介護者ご本人がどういった容態で、普段どんな様子でいらっしゃるかなどは気になるものです。
ご家族と離れていらっしゃる間の良かったエピソードや、体調面で気になったことなどは、なるべく細かく伝えることで、ご家族に安心感を与えられるでしょう。ご本人との間であった些細なエピソードは、普段からメモすることを習慣にすると良いですよ。
流行語や専門用語を使わない
ご本人との接し方の章でもお話ししましたが、ご家族に対してもなるべく今どきの言葉・専門用語などの難しい言葉は、使わないように意識しましょう。とくに介護に関する用語は、一般の方からすれば耳馴染みのない場面が多いです。
難しい言葉は平易な言葉へ言い換えるか、もしくは砕けた表現に言い直すなどを意識して接しましょう。「この人との会話はわかりやすく、リラックスしてお話しできる」と、ご家族との意思疎通も円滑になり、信頼されやすくなるでしょう。
まとめ
「要介護者・高齢者の方に信頼される接し方」というテーマで、コミュニケーションの取り方や話題のネタ、ご家族との接し方などについてお話ししました。
皆さんにお伝えしたいのは「はじめはみんな失敗する」こと、そしてコミュニケーションの失敗を「あまり気負い過ぎないでほしい」ということ。自分本位にならず相手に寄り添うことを意識すれば、自然と会話やネタ作りのコツなどが、経験から身についていくものです。
また上手くいかないときは一人で抱え込まず、同業者や同じ境遇のお知り合い、身近な介護職の方など相談してみましょう。
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