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訪問美容師が必ず知っておくべき介護施設の種類と特徴・営業への活かし方

2021.10.15

訪問美容師として主な営業先となり得る「介護施設」について、あなたは入居者さんの違いや在籍スタッフさんの違いなどをご存知でしょうか?各施設ごとに利用者さんの要介護度・医療度も異なるため、美容師はそれぞれに合わせた、適切な施術をしなければなりません。

今回は「訪問美容師」として知っておきたい、訪問先施設の種類それぞれの特徴ポイントについて解説いたします。

訪問美容師にとって「施設の違いや特徴」の把握は生命線

訪問美容師として活動する際、主な仕事先となるのが「ご自宅」「病院」そして「施設」です。病院と比べ医療度が低く比較的お仕事を受けやすい介護施設は、訪問美容師として押さえておきたい、クライアント候補の1つです。

介護施設とお付き合いをする上で、各施設の違いや特徴を知っておくことは必須業務です。施設ごとに利用者様に行える施術内容に違いもあれば、訪問すべき時間帯なども異なるためです。

また働く職員さんとしても、施設の詳細を理解していない訪問美容師に、大切な利用者様の施術を依頼するのは気が引けるでしょう。

【知っておきたい各施設の特徴】

・利用者様の重症度・要介護度
・利用者様の大まかな1日のスケジュール
・通いなのか、宿泊されているのか
・働かれているスタッフさんの職種や役職

以下では訪問美容師が知っておきたい、訪問先になり得る施設8つをご紹介いたします。

訪問先でおすすめな施設8種類と知っておくべき特徴

訪問先になり得る、知っておくべき8種類の介護施設とその概要についてご紹介します。営業で問い合わせをする前に、ぜひ押さえておきたいポイントです。

介護施設は大きく「民間施設」「公的施設」とに分けられ、運営元が異なります。

施設種類施設の特徴要介護度
の高さ
初めての
訪問先
オススメ度
在籍する職
公的施設特養(特別養護老人ホーム)要介護度3以上の「手厚い介護が必要」な方が入られている施設。寝たきりも多い。高め・ケアマネージャー
・介護職員
・生活相談員
・看護師
老健(介護老人保健施設)在宅復帰を目標とする既往礼者が、リハビリ目的で入居。そのため期間が短く、比較的元気な高齢者も多い。低め~中間・ケアマネージャー
・介護職員
・支援相談員
・看護師
・リハビリ専門職(PT・OT)
介護医療院長期的な医療サービスを必要とする方が入居。要介護度が高めな方も多い。高め・介護職員
・看護師
・リハビリ専門職(PT・OT)
ケアハウス身寄りのない高齢者が入居でき、介護が必要な方から自立している方まで入居。低め~中間・介護職員
・生活相談員
小多機(小規模多機能型居宅介護)デイケアや訪問介護等が受けられるサービス。宿泊も可能。

介護度は軽度な方が多い。

低め・ケアマネージャー
・介護職員
・看護師
民間施設介護型有料老人ホーム介護が必要な方から自立している方まで、幅広く入居。介護が必要な利用者も多く、介護スタッフが常駐している。低め~高め・ケアマネージャー
・介護職員
・生活相談員
・看護師
・機能訓練指導員※施設によって異なる
住宅型有料老人ホーム介護が必要な方から自立している方まで、幅広く入居。レクリエーション等が充実。低め~中間
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)介護施設ではなく「住宅」としての施設。一人暮らしの不安のなお年寄りも多い。低め〇~◎・介護職員
グループホーム認知症の方が5~9名のユニット(グループ)になって、共同生活。認知症の方が多い。・ケアマネージャー
・介護職員
・生活相談員
・看護師

 

施設入居者さんの要介護度・医療度をはかる1つの指標として、ケアマネージャーさんが所属している施設は要介護度が、看護師さんの所属している施設は医療度が比較的高めの場合が多いと判断できます。

【公的施設】

まずは国が運営する介護施設で、訪問美容師が知っておきたい5つについて詳しく見ていきましょう。

特養(特別養護老人ホーム)

国が運営する「特別養護老人ホーム」は、要介護度3以上の「手厚い介護が必要」な方が入られている施設。通称「特養」とも言われます。

寝たきりの方も多く、初めての訪問先としては難易度は高めです。通いではなく施設生活をされており、食事や入浴時間が全て施設側で決まっているのが特徴です。

訪問の際には予め食事・入浴時間などを確認し、入浴前かつ空き時間に施術を入れる必要があります。

老健(介護老人保健施設)

在宅復帰を目標とする高齢者が、リハビリ目的で入居される国営の施設です。入居期間が短く、比較的元気な方から介護度の高い方までいらっしゃいます。通いではなく、施設生活をされています。

介護度や症状の程度にバラつきがあるため、美容師はそれぞれの利用者に沿った、配慮ある施術や介護への理解が求められます。

介護医療院

長期的な医療サービスを必要とする方が入居され、要介護度が高めな方も多い施設です。医学的なケア・リハビリが中心で、レクリエーションなどはほとんどありません。

入居は要介護度の低い方~重症者まで可能ですが、実際は容態の重たい方も多く、美容師側にも医療度の高い方へ配慮した施術が求められます。クライアントとしてお付き合いする難易度としては、高めと言えるでしょう。

ケアハウス

身寄りのない高齢者が入居でき、介護が必要な方から自立している方まで入居できる施設です。比較的元気で自立し、ご自身で外出可能なお年寄りも多くいらっしゃいます。民間で言うと、有料老人ホームに近いイメージかもしれません。

要介護度の高めな方も所属されており、ある一定の介護への配慮・知識はあると良いでしょう。

小多機(小規模多機能型居宅介護)

1つの介護施設が「デイサービス=通い」を中心に「訪問介護」「宿泊」の3つのサービスを提供しており、月額制でそれらを利用できます。施設に通えるような身体が元気な方が多く、入居者さん同士の交流やレクリエーションも活発に行われるのが特徴です。

デイサービスの大まかな1日の流れとしては、朝送迎バスで施設へ到着し午前中に入浴、昼食の後に休憩やおやつ時間を楽しんで、夕方に自宅へ戻られるといった具合です。通常の施設とはタイムスケジュールが異なるため、施術時間の提案には要注意。

雰囲気も活発で元気な入居者さんも多い為、訪問美容の最初のクライアント先として、かなり選択しやすい事業所かと思います。

 

【民間施設】

次は民間が経営する、訪問美容師が知っておきたい4つの施設について見ていきましょう。民間施設は事業所によって入居者の方の状態、サービスの提供状態が大きく異なるため、アポを取る前には事前に各施設について、しっかりと下調べをするようにしましょう。

介護型有料老人ホーム

民間が経営する施設で、通いではなく入居が前提の施設です。費用が高めの分、サービスの手厚さやレクリエーション・イベントなども充実している施設が多い印象があります。

介護度の高い方も入居することができ、介護スタッフが施設に常駐しているのが特徴。利用者は自立されている方~要介護度の高い方まで、幅広くいらっしゃいます。

住宅型有料老人ホーム

介護型有料老人ホームとは異なり、介護スタッフが常駐していないタイプの有料老人ホーム。こちらも介護が必要な方から自立している方まで、幅広い層が入居されています。

サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)

介護施設ではなく「住宅」としての側面が強い施設です。入居条件として「基本的に、自身の身の回りの世話ができる」ことがあるなど、外出もできるような元気なお年寄りが多くいらっしゃいます。

「介護はまだ必要ないけれど、一人暮らしが不安」というお年寄りが、シェアハウスのような目的で入られているケースも多いです。サ高住もはじめての訪問先としては、比較的選択しやすい事業所と言えるでしょう。

グループホーム

介護度は低い方~高めな方まで幅広くいらっしゃいますが、認知症の方の受け入れがメインであることがグループホームの特徴です。認知症の方が5~9名のユニット(グループ)になって、共同生活を送られています。

認知症の方の施術をある程度経験してから、訪問先として選ぶのが良いかもしれません。

まとめ

訪問先の施設を選ぶための「訪問美容師が知っておくべき介護施設の種類と特徴」というテーマで、それぞれの施設概要や、訪問先として気を付けるべきポイントをまとめてきました。

【今回のまとめ】
・各施設毎に利用者の要介護度や1日の流れも異なるため、施術方法や難易度・予約を入れる時間帯などにも違いがある。
・要介護度や医療度の高い施設は、それほど施術も難しくなる。将来的にはそういった施設での仕事も視野に入れつつ、最初は要介護度の軽めな施設から訪問するのがおすすめ。
「大切な利用者のカットを預ける」施設側の視点に立って、施設毎の違いを明確に把握することが大事。

本記事も参考にしながら、ぜひ最初の第一歩として施設ごとの特徴・違いについて把握されてみてくださいね。

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