訪問美容は儲かる? 儲からない? 効率よく収益をアップする方法・働き方を解説
「訪問美容師は儲からない仕事?」「訪問美容だけで食べていくのは難しい?」という声を耳にすることは少なくありません。実際、訪問美容だけで生活を送るためには、地道な努力や活動が必要不可欠でしょう。
本記事では「訪問美容は儲かるのか? 儲からないのか?」をテーマに、その真相や訪問美容で効率よく収益を上げる方法・おすすめの働き方などを解説します。
訪問美容師は儲からないのか
現在美容師の資格を持ってるんですけど、訪問美容を開業したいと思ってます。
まずは個人宅だけに訪問美容をやっていこうと思っているんですけど、それで生活ができるくらい稼げるのか?
訪問美容経営の方、意見をもらえたら助かります!
結論からいうと、訪問美容師はやり方次第でしっかりと収益を上げられるお仕事です。ただし “訪問美容師一本で独立開業している” という美容師さんは一握りで、訪問美容の企業に所属するか、美容師と並行して訪問美容師をされている方が大半です。
“訪問美容師のみ” で収益を上げづらい理由として
・訪問美容サービスを求めている顧客の開拓とアプローチ
・病院や介護福祉施設への営業活動
といった新規顧客の獲得が難しく、方法も通常サロンとは異なることが挙げられます。また「場合によっては対応できないメニューがある」「移動時間がある分、1日に担当できる顧客数が少ない」等の要素も、訪問美容が儲けづらいと言われる要因でしょう。
訪問美容師の収益例
例えば1日に2~3件、単価5,000円でご自宅へ訪問するとします。1か月の労働日数が22日(週休2日)の場合、1か月の訪問美容の収益は以下のようになります。
1日 2.5件 × 単価 5,000円 × 22日 = 275,000 円
実際には予約が埋まらない日もあるでしょうし、経費を差し引けば手元に残る収益はさらに少なくなります。一方で施設訪問やご本人とそのご家族の同時施術など、一度の訪問時に複数の施術をこなすことで、より高い収入を目指すことも可能でしょう。
訪問美容が儲けやすい3つの理由
訪問美容師の仕事には、通常のサロンに比べて収益を上げやすい一面もあります。地道にコツコツと活動を続けることで、着実に収益アップを目指せる点は訪問美容の仕事ならではの魅力です。以下でその理由を見ていきましょう。
1.初期費用が安い
初期投資がほぼかからない、という点は大きな強みです。通常、新たにサロンを開くとなれば「物件費」「設備費」「美容関連の備品代」など、最低でも100万円ほどの自己資金が必要となります(多くはそれ以上の額となるでしょう)。
その点、店舗をもたない訪問美容の場合、物件取得費や設備費などは発生しません。主な必要経費は以下のとおりです。
・美容師の道具代
・カラー剤やシャンプー剤など薬剤代・備品代
・自動車のガソリン代
移動式シャンプー台など大掛かりな備品を揃えなければ、3~5万円ほどの初期投資で十分にスタートできるでしょう。
2.リピーター率が高い
訪問美容サービスは通常のサロンに比べ、一度施術を受けられたお客様の再利用率がとても高いという特徴があります。通常サロンに比べ競合が少ないこともあり、一度信頼が得られれば「じゃあ次回もお願いします」と、自然にリピートへ繋がりやすいのです。
軌道に乗るまでは集客に苦労しますが、ある程度活動を続けることで「新規開拓にそれほど力を入れずとも、既存のお客様で運営が回る状態」を実現できる可能性があります。
3.業界として将来性がある
訪問美容の主要ターゲットである「高齢者層」は増加の一途をたどり、近年では在宅医療を希望する方の割合も増えています。よって高齢者向けに自宅へ訪問し、美容サービスを提供する訪問美容の仕事は、今後ますます需要が高まることが予想されます。
もしいま訪問美容師になることを悩んでいるなら、ライバルの少ない今のうちに販路を拡大しておき、将来的な収益増加を目指すのも有効な戦略かもしれません。
訪問美容師×〇〇で儲ける働き方4パターン
先述した通り、訪問美容師の仕事1本で生活に十分な収益を挙げている美容師さんは、まだまだ少ないのが現状です。一方で既存の仕事に「訪問美容」の仕事をうまく組み合わせることで、収益をさらにアップしている美容師さんもいらっしゃいます。
訪問美容師の仕事を活かして、収益を上げる4パターンの働き方について見ていきましょう。
1.フリーランス美容師×訪問美容師
1つ目は、フリーランスの美容師と訪問美容師の仕事を兼業するという働き方です。美容師、訪問美容師のどちらかに軸を決めて、その隙間時間にもう1つの仕事を上手く組み入れることで、効率的な収益アップを実現します。
業務時間の融通が効きやすく好きなペースで休みが取れる点でも、メリットの大きい働き方といえます。
2.サロン経営×訪問美容師
2つ目は店舗サロンを経営しながら、あわせて訪問美容サービスを提供する働き方です。サロンオーナーのみが施術する訪問美容師サービス「GOCHOKI」の所属スタイリストは、この働き方に該当します。
こちらもフリーランスの場合と同様、サロン施術と訪問美容の仕事を効率よく組むことで、より収益を効率よくアップすることが可能です。
3.家事育児の合間に訪問美容師
働く時間や日数を自由に決められる訪問美容師は、実は家事育児で忙しいママさんにおすすめの仕事です。予約は午前中~夕方までの比較的早い時間帯に集中しやすいため、子どもさんのお迎えや夕食の準備までに、仕事を終えられるといったメリットもあります。
過去にお話しを聞いた美容師さんの中には、子どもを保育園へ車で送り届けた後、そのままお客様の自宅へ訪問する、といったママさんもいらっしゃいました。
【おすすめ記事】訪問美容は主婦さんが無理なく働きやすい!理由や1日のスケジュールを紹介
4.訪問美容の体験を活かした仕事×訪問美容師
訪問美容師さんの中には、訪問美容師の体験をそのまま仕事に活かして収益を上げられている方もいます。例えば訪問美容の研修やセミナーの講師を務める、動画配信やブログで訪問美容の活動を発信するなどの方法が該当します。
訪問美容という未開拓な業界だからこそ、実際に訪問美容師として活動している方のノウハウや体験談は需要があります。ある程度仕事が軌道にのれば、このような働き方に挑戦してみるのも良いかもしれません。
訪問美容師が効率よく収入をアップする6つの方法
これから訪問美容師として活動予定のスタイリストさんに向けて、訪問美容師として収入を効率的にアップするための6つの方法をご紹介します。
1.リピーターを確実に増やす
先述したとおり、通常のサロンに比べて競合の少ない訪問美容師は、リピーターを獲得しやすいビジネスモデルです。新規のお客様を増やすことも大切ですが、それ以上に一度利用いただいたお客様を、確実にリピーターへ繋げる対策が重要です。
「また利用したいと感じてもらえるサービスを提供するには?」という視点から、既存のサービス内容や接客面をブラッシュアップしましょう。実際「訪問時に、次回の予約もその場で入れていただく」という美容師さんも多いようです。
2.既存顧客から紹介をもらう
すでに施術を担当しているお客様から、別のお客様を紹介してもらう方法もおすすめです。普段から「もし周りに美容院に行けなくて困ってる方がいらっしゃったら、ぜひ教えてくださいね」と軽くお声がけしておくことで、後日紹介をもらえるケースは少なくありません。
お客様からの紹介のため、初対面でも安心して施術を受けていただきやすい点もメリットです。
3.病院・施設など大型の案件を増やす
病院や施設から直接仕事を獲得できると、一度に多くの方の施術が担当できるため、まとまった収益が上げやすくなります。とくに「訪問美容だけで生活したい」という方は、病院や施設への訪問がおすすめです。
ただし病院や施設では、すでに企業の訪問美容サービスが専属で入っている場合も少なくありません。お仕事をいただくには、地道な営業活動と販路開拓が必要となるでしょう。
4.効率を考えて予約を入れる
例えば1日に2本予約を入れる場合と、3本予約を入れる場合であれば、後者のほうが収入は上げやすくなります。より効率的に収益を上げたいのであれば、あらかじめ予約枠を美容師側で決めておき、その中からお客様に選んでもらう等の工夫をすると良いでしょう。
あるいは移動時間を短縮するため、ご自宅の距離が近いお客様同士を、なるべく同日に施術するといった方法も考えられます。
5.初期費用をとにかく抑える
「ミニマルに始めやすい」という点は、訪問美容サービスの大きな魅力です。最初から大掛かりな機材や立派なホームページを用意するのではなく、まずは最小限の設備投資で始めることをおすすめします。メニューも最初は「カットのみ」からで十分かもしれません。
収益化が不確実なタイミングでは、なるべく少ない経費で活動することを意識しましょう。
6.ケアマネさんとのパイプを作る
ケアマネージャーさんとの良好な関係づくりも重要です。ケアマネージャーさんは訪問美容の主な利用者である「要介護者」「高齢者」の方々に広いネットワークを持っており、信頼してもらえれば、お客様を紹介してもらえる可能性があるためです。
ケアマネージャーさんとの関係づくりの重要性と方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
【おすすめ記事】訪問美容師はケアマネージャーさんとの繋がりが大事│出会える場所や顧客を紹介してもらう方法
まとめ
今回は「訪問美容師は儲からないのか?」をテーマに、収益を上げやすい要素や効率よく儲けるためのポイントについて解説いたしました。訪問美容で安定した収益を上げるには地道な努力が必要ですが、今後ますます多くの人に求められる仕事であることは間違いないでしょう。
「GOCHOKI」では、これから訪問美容師として活動したい人におすすめの「訪問美容師向けコラム」を多数配信しています。ぜひあわせて読んでみてくださいね。
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