【関西2府4県+α】訪問美容を始めるうえで届出が必要な自治体を徹底調査してみた
訪問美容サービス「GO!CHOKI(ゴーチョキ)」です。
皆さんは、訪問美容を始めるうえで届出が必要な地域と、そうでない地域があることをご存じでしょうか?
同じ都道府県内でも、届出が必要かどうかが変わってくることがあります。
そこで今回は、関西2府4県(大阪府・京都府・兵庫県・奈良県・和歌山県・滋賀県)を中心に、関西以外の地域の実情について、福井県・香川県・鳥取県で、訪問美容に関する届出が必要な地域を調査してみました。
そして、訪問美容に関する届出をする際の注意点について解説いたします。
訪問美容の届出が必要な際の注意点
訪問美容の届出が必要な場合、美容所・理容所の開設届と同様に、各自治体に申請する必要があります。
申請書類の名称は地域によって異なりますが、ほとんどの場合で必要になるのは以下の通りです。
1.美容師免許証又は美容師免許証明書(省略できる場合もある)
2.本人証明が出来るもの
3.各自治体で用意されている申請書類
3つ目の、申請書類に関しては、自治体によって形式が変わりますので、間違えないように注意しましょう。
訪問美容の届出は「利用者が住んでいる自治体」に行う必要がある
更に間違えてはいけないのが、訪問美容の届出を提出する場所です。
美容所、理容所の開設に関しては、「美容所の開設場所がある自治体(保健所)への申請」が必要になってきます。
なので、ありがちな間違いとして考えられるのが、「自分(美容師)が住んでいる自治体に申請してしまうこと」です。
実際には、「訪問に伺う方が住んでいる地域の自治体」に届出を提出する必要があります。
例えば、B市に住んでいる美容師が、A市のお客様に訪問美容のサービスを提供したいとします。
その場合は、必ずA市を管轄している保健所に「届出が必要かどうか」を、確認するようにしましょう。
もし仮に、A市に届出が必要だった場合は、訪問美容に関する申請をしなければいけません。
申請せずに訪問美容をおこなったことが、保健所に知られれば「気づかずに施術してしまった」「大丈夫だと思った」など、いかなる理由においても、その市の条例に従った罰則が科せられることになります。
実際に、以前届出が必要な地域で、保健所に確認せずに訪問美容のサービスを行っていた美容師がおり、問題に発展したケースもあったようですので、訪問美容を始める際は、地域を管轄する保健所にしっかりと確認をするようにしましょう。
「県の管轄下」と「中核市」で届出の有無や仕組みが変わるのでしっかり確認する
その都道府県が管轄する保健所と、都道府県内の中核市(保健所が独立して存在する都市)で、届出が必要かどうかが異なる場合が多いです。
その理由としましては、中核市の場合、保健所が県の管轄から独立しており、保険のシステムなどが異なる場合があるからです。
訪問美容を始める場合には、訪問先の市が「中核市」かどうかの確認をするようにしましょう。
届出を出してから、認可までに必要な期間も確認しておく
地域や保健所によって、認可までに必要な時間は異なります。
例えば、和歌山市では、届出を出してから認可までに約2週間ほどかかったということもあるようです。
施術日までに認可してもらう必要があるので、認可までの期間をあらかじめ見通したうえで、施術日を設定しておく必要があるでしょう。
【関西2府4県+α】訪問美容の届出が必要な地域
では、ここからは、実際に訪問美容の届出が必要な地域を紹介していきます。
冒頭でも触れましたが、今回は関西2府4県と、その他一部地域にフォーカスして、紹介します。
これから訪問美容を始めたい方は、是非参考にしてみてください。
「京都府」及び「滋賀県」は訪問美容の届出は「必要なし」
京都府もしくは滋賀県で訪問美容を始める場合、届出の必要はありません。
ただし、最低条件として
「国が定めている衛生管理要領の遵守」
「理美容師資格の保有」
「訪問美容サービスが適用される方に限定すること」
以上の3つが、求められています。
また、保健所が府の管轄から独立している京都市や大津市でも、同様の見解を示しています。
「大阪府」では「枚方市」「八尾市」「寝屋川市」においては訪問美容の届出が必要
次に、大阪府で訪問美容を始める際に「届出が必要な地域」をまとめてみました。
大阪府のホームページでは、「訪問美容に関する届出は、原則必要ない」とされていますが、保健所が独立している「枚方市」「八尾市」「寝屋川市」では、「届出が必要」ということでした。
また、それぞれの市によって届出の仕方も違いますので、詳しく解説していきます。
◆八尾市と枚方市では、「市から組合に依頼があって派遣される」様式を取っている
八尾市では、市が訪問理美容組合と提携して訪問美容サービスを行っています。
そのため、八尾市で訪問美容を始めたい場合には、組合への登録が必須条件となりますので、注意しましょう。
また、枚方市の場合も同様に、組合に登録後、依頼があって派遣される形になります。
お客様から美容師の指名などはできないため、何度も同じ場所や近隣へ訪問美容を行える可能性は低いです。
◆寝屋川市は、市が認可する美容室のみ訪問美容が可能
寝屋川市の場合は、市が発行している「訪問美容利用券」を利用する形で、訪問美容のサービスが受けられます。
しかし、訪問美容利用券を利用できる店舗は、「市が認可している美容室」に限られるので、個人で訪問美容を始めるのは難しいでしょう。
「和歌山県」及び「奈良県」では、全地域において届出が必要
和歌山県、奈良県は、全地域において訪問美容を行う際の届出が必要になります。
ただ、県ごとに少し違いがあるので、詳しく見ていきましょう。
◆和歌山県では、届出の仕様が少し違う
和歌山県では、届出先などの仕様が、冒頭で説明したものとは少し異なります。
例えば、届出先の面では、
1.県内の理容所・美容所に所属している理・美容師は、所属している理容所・美容所を管轄する保健所
2.県内の理容所・美容所に所属していない理・美容師(県内に住所を有する者に限る。)は、居住地を管轄する保健所
3.県内の理容所・美容所に所属していない理・美容師(県外に住所を有する者に限る。)又は県外の理容所・美容所に所属している理・美容師は、出張理容・出張美容を行う業務地を管轄する保健所
となっています。
分かりやすく言い換えると、
1番は「県内に美容室を持っている美容師なら、美容室がある地域の保健所へ届出してください」
2番は、「県内に住んでいるけど、美容室を持っていない、あるいは他の県で美容室を持っている美容師は、自分が住んでいる地域の保健所に届出してください」
3番は、「県外に住んでいる美容師で、県内に美容室がない場合は、訪問先地域の保健所に届出してください」
という形になります。
冒頭で説明した届出の方法が適用されるのは、和歌山県では3番の場合のみになります。
更に、「毎年度ごとに更新の届出」をする必要がありますので、注意しましょう。
◆奈良県は、届出に加え「訪問先一覧の提出」が求められる
一方、奈良県では、訪問先が複数ある場合、「訪問先一覧」の用紙に、訪問先の住所やサービスを受ける人の指名などを記載して提出する必要があります。
中核市である奈良市でも、同様の手続きが必要になります。
「兵庫県」では、「姫路市」のみ届出が必要
兵庫県においては、届出は原則必要ありません。
しかし、中核市のひとつである「姫路市」においては届出が必要になってきます。
更に、「毎年の更新届」や「訪問美容の実績報告」なども必要になってきます。
◆「尼崎市」では、「ねたきり老人理美容サービス」という独自の事業を行っている
同じく、中核市である尼崎市では、「ねたきり老人理美容サービス」という独自の訪問美容サービスを行っています。
その内容は、要介護4以上で、非課税世帯に属し、介護保険を利用していない方に向けて、整髪の料金補助を行うというものです。
訪問美容を始める場合の届出等は尼崎市では必要ありません。
しかし、尼崎市のように、市によってはそういった料金補助のサービスを行っていることもあるので、確認しておくことで、お客様への提案の幅も広がるでしょう。
以上が、関西2府4県において、訪問美容を始める際の届出が必要な地域になります。
全体でみると、届出が必要な地域は少ないように見えますね。
ただ、県が「届出は必要ない」としている場合でも、中核市では独自のサービスを展開していたり、届出が必要になってくることが少なくないようです。
訪問美容の届出に関する、他の地域での実情
ここからは、関西2府4県以外の実情を紹介します。
本記事では、「香川県」「福井県」「鳥取県」の3県における、訪問美容に関する届出の必要性について調べてみました。
◆「香川県」「鳥取県」「福井県」では、訪問美容に関する届出が必要
香川県、及び鳥取県では、「訪問先の地域を管轄している保健所」への届出が必要です。
福井県においては、知事がやむを得ないと判断した場合においても、届出が必要としているため、注意が必要です。
◆「鳥取県」では届出の際に、用具の検査が必要になる。
鳥取県では、届出が必要なことに加え、衛生管理要領に基づいた、検査が必要になります。
そのため、他の地域と違い、届出の際には手数料(13,200円)が発生します。
検査が完了すれば、「確認証」が交付され、訪問美容を行うことが可能となります。
この「確認証」は、美容師1人につき1つ必要なので、美容室から訪問美容を行いたい場合には、訪問美容を行う(行いたい)従業員の数だけ、確認証の発行が必要です。
以上が、関西圏以外の3県にフォーカスして、訪問美容の届出に関する実情を調査した結果となります。
都心部から離れた地方だと、高齢者の数も増えるため、訪問美容の届出を必要としている地域が多くなる印象を受けました。
まとめ:訪問美容を奨励する自治体は増えてきている
今回、訪問美容に関する届出が必要な地域を調査するにあたって、各自治体の見解として多かったのが、「訪問美容の需要は高まっているので、市としても奨励したい」という声でした。
組合に登録したり、届出をしたりというのは、一見めんどくさい印象を持たれがちです。
しかし、届出を必要としている自治体では、「万が一のことがあった場合の保険としても必要だ」という考えを持っていました。
訪問美容において、トラブルにつながる可能性はゼロではありません。
個人で、となると自己責任になってくる部分も増えるので、組合への登録が必要とされている方が、安心して訪問美容を出来ることもあるでしょう。
自治体によるバックアップは、悪いことではないので、訪問美容を始める際には、それも含めて検討するのが良いでしょう。