訪問美容師の開業届の書き方・提出方法まで徹底解説 | その他の必要な手続き・届出も紹介
訪問美容師として活動をスタートする際、必要な手続きが「開業届の提出」と「保健所への訪問美容活動の申請」です。後者の必須有無は自治体によって異なりますが、「開業届」の提出は全国一律で必要となる要件です。
この記事では「訪問美容師にとって開業届が必要なのはどんな場合か?」を明らかにし、開業届の準備の流れや提出方法などについてまとめました。
「これから訪問美容師として頑張りたい!」と思っている方は、ぜひご一読いただければと思います。
【この記事でわかること】
・訪問美容師はどんな場合に開業届が必要か?
・訪問美容活動で開業届を出さないと、どんなペナルティがあるのか?
・開業届は、いつまでにどこへ提出すれば良いのか?
・開業届の入手方法や書き方について
・開業届以外に必要な手続きはあるのか?
Contents
訪問美容師の活動に開業届は必要か?
「訪問美容」に限らず、個人事業主として何かしらの事業を開始する際は「開業届」を提出する必要があります。
訪問美容師として独立する際はもちろん、副業で活動する場合も提出するのが望ましいでしょう。
【訪問美容師に開業届の提出が求められるケース】
・個人事業主として訪問美容サービスを開始する場合
・フリーランスや副業として訪問美容サービスをおこなう場合
・既存サロンとは別の屋号(事業所名)として、訪問美容を始める場合
開業届はいつまでに、どこへ提出する?
開業届の提出場所は、訪問美容サロンが所在する管轄エリアの「税務署」です。また提出期限は訪問美容活動をスタートしてから原則1か月以内となります。
ただし開業年の収支を年度末に確定申告さえすれば、それが開業届の代理として受け取られます。
開業届の用紙は各管轄税務署の窓口で受け取れるほか、国税庁のホームページからもダウンロードが可能です。
訪問美容師が開業届を出さないとどうなる?
結論からいうと、開業届を提出しないことで何かしらの罰則をうける心配はありません。
目安として開業1カ月以内の提出が定められていますが、開業届の提出が遅れる、あるいは提出しなかったからといって「活動停止」や「罰金」などの対象にはなりません。
とはいえ開業時の届出は法務規定にて定められいるため「バタバタしていて、うっかり提出期限を過ぎてしまった」という方も、なるべく早めに提出するのが望ましいでしょう。
開業届の入手・記入・提出まで流れ
「いざ開業届を準備しようと思っても、何から手を付けていいかわからない!」
そんな方のために開業届の入手から提出するまでの流れについて説明していきます。
1.開業届の用紙を手に入れる
2.開業届を記入する
3.青色申告承認申請書を記入する(必要な場合のみ)
4.開業届を税務署に提出する
開業届の準備・提出は、流れさえつかめれば難しい内容はとくにありません。以下で各手順について見ていきましょう。
1.開業届の用紙を手に入れる
まずは「開業届」の用紙を手元に用意しましょう。近隣の税務署で直接もらうか、国税庁のホームページよりPDFをダウンロードして記入します。
【ダウンロード】個人事業の開業・廃業等届出書(提出用・控用)(PDF/746KB)
2.開業届を記入する(書き方を解説)
開業届を実際に記入していきます。
以下の「赤字」で示した部分が、個人事業主が記載する項目となります。
① 開業場所が該当するエリアの「税務署長」名を記載します。所轄の税務署は「国税庁のWebサイト」にて確認できます。
② 氏名・マイナンバー・屋号を記入します。屋号とは事業で利用するサービス名称のことで、前もって屋号名を考えておくと記入がスムーズに進みます。(屋号は後に変更することも可能です)
③「開業」にチェックをいれ、個人の住所・氏名を記入します。
④「所得の種類」は「事業所得」を選択します。
⑤開業届と同時に「青色申告承認申請書」を提出する場合は、上段で「有」を選択します。
3.青色申告承認申請書を記入する(必要な場合のみ)
訪問美容師として独立すれば、毎年自身で確定申告を行う必要があります。確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があり、前者の申請に必要となるのが「青色申告承認申請書」の提出です。
この申請書は開業届と同時に、税務署へと提出します。
青色申告承認申請書とは
「青色申告承認申請書」とは、所定の帳簿に記帳して確定申告をおこなうことで税金面の優遇が受けられる制度のことです。
白色申告にくらべ帳簿付けが複雑な分、特別控除が受けられたり赤字を3年間繰り越せたりといったメリットがあります。
開業届後に白色から青色への変更はできないため、「白色申告と迷っている」という方も青色申告承認申請書を提出しておくと良いでしょう。申請書は以下のページよりダウンロードできます。
4.開業届を税務署に提出する
必要書類が揃ったら開業届を税務署窓口へと提出しにいきます。受付時間は平日の8時30分から17時までです。
【必要準備物】
・開業届
・青色申告承認申請書(必要な場合)
・マイナンバーカード
・(マイナンバーカードが無い場合)免許証などの本人確認書類
・(マイナンバーカードが無い場合)マイナンバー記載のある住民票や通知カード
・開業届(控え)
窓口に行く時間が取れない方は「郵送」「インターネット(e-Tax)」を利用する方法もあります。
郵送先に関する詳細は国税庁のホームページで、オンラインの方法はe-Taxのホームページにて確認することができます。
開業届以外に訪問美容活動で必要な手続きとは?
訪問美容師として活動をスタートする際、「開業届」以外に必要となるのが「保健所への届け出」有無の確認です。
というのも出張営業を行うための手続きが必要かどうかは、訪問美容サービスを提供する管轄エリアによって異なるためです。
例えば同じ大阪府内であっても、各市町村によって届出の要不要は異なります。
出張営業を行うための手続きについて
○ 大阪府内(大阪市、堺市、豊中市、吹田市、高槻市、枚方市、八尾市、寝屋川市及び東大阪市以外)で出張理容・出張美容を行う場合、理容師・美容師の資格があれば、保健所への届出の必要はありません。引用元:大阪府「出張理容・美容について」
「自分の活動地域で届出が必要か」と「手続きの詳細」に関しては、管轄の保健所へ問い合わせることで確認できます。
【参考記事】【関西2府4県+α】訪問美容を始めるうえで届出が必要な自治体を徹底調査してみた
まとめ
訪問美容師活動に関する「開業届」について確認いたしました。今回の内容をまとめると以下の通りです。
【この記事のポイント】
・訪問美容師として個人事業主・フリーランスとして活動する場合、開業届の提出が必要。
・開業届は訪問美容活動の管轄エリアにある、税務署へと提出する。
・開業届用紙は「国税庁」サイト、もしくは税務署の窓口で受け取れる。
・原則、開業から1か月以内の提出が必要(ただしペナルティはない)。
・青色申告が必要な場合、開業届と同時に青色申告承認申請書を提出する。
・開業届以外に必要な手続きとして「保健所の届け出」がある(要不要は各自治体による)。
開業届の提出は法廷義務を守るためだけでなく、活動スタートにあたり自身の気持ちを引き締める上でも重要な手続きです。
ぜひ訪問美容師としての活動を検討されている方は、早いうちから開業届の準備を進めておきましょう。
GOCHOKIでは今回のような「訪問美容師さんのためになるコラム記事」を毎月発信しています。ぜひそちらも覗いてみてくださいね。
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