アシスタントからでも訪問美容師になれる?具体的な方法・訪問美容の始め方を解説
「アシスタント経験のみでキャリアがとまっている」「美容師免許を持っているだけで実践スキルがない」ものの、訪問美容師として働いていきたいという方へ。
アシスタントから訪問美容師を目指すのはいばらの道ですが、覚悟さえあれば、経験の浅い状態からでも訪問美容師を目指すことは可能です。
この記事では「アシスタントから訪問美容師を目指す」をテーマに、その方法や訪問美容師になるまでの流れなどを解説します。
Contents
訪問美容師は、アシスタントの経験のみでもなれるのか?
現在28才の女です。
高校を卒業した後、美容学校へ行き美容師免許をとりました。半年程美容室でアシスタントとして働きましたが忙しさで体調を崩し、辞めてしまいました。その後は看護学校へ行き、看護師免許を取得。現在看護師4年目です。
しかし今になって「もう一度美容師をやり、スタイリストにまでなりたい」という気持ちが出て来ました。
訪問美容師として、福祉の分野で美容に携わりたいと思っています。
28才にして、看護師を辞めて、美容師へゼロからの転職。人生の先輩方のアドバイスを頂きたく、よろしくお願い致します。
(Yahoo知恵袋より)
結論からお伝えすると、アシスタント経験のみでも訪問美容師を名乗ることは可能です。
というのも、法律で定められた「訪問美容活動の必須要件」は、「美容師 or 理容師の国家資格」を所持していることのみであるためです。
ただし実際に活動していくとなれば、アシスタント時代の経験のみで訪問美容活動をおこなうことは、あまり現実的ではありません。
スタイリスト時代に培うカット技術や柔軟な対応力がなければ、訪問先やお客様の状態にあわせて施術を使い分ける、訪問美容の業務をこなすことは難しいと考えられるためです。
訪問美容師を目指すなら、デビューまでは離職しないのがおすすめ
美容師として本格的にカットなどの施術をおこなうのは、基本的にスタイリストとしてデビューを果たした後となります。
そのため将来「訪問美容師」を目指す可能性があるなら、仮に美容師を辞めたいと考えた場合も、デビューして数年間はスキルを磨いてからハサミを置くことが望ましいと言えます。
ただし訪問美容師を志す方の中には、長時間労働や人間関係の問題など、「どうしようもない事情で早期に美容師を辞めてしまった方」もいらっしゃるのではないでしょうか。
アシスタント時代で経験が止まっている場合、訪問美容師として活動するのであれば「再びアシスタントから学び直す」「技術を磨くスクールへ通う」など、改めてスキルを習得できる環境に身を置くことが最も確実な方法です。
次章にて、アシスタントから訪問美容師を目指す流れについてお話しします。
アシスタントから、訪問美容師を目指す方法とは?
決して楽な選択ではありませんが、アシスタント経験のみであっても、努力や工夫次第で訪問美容師を目指すことは不可能ではありません。
アシスタントから訪問美容師を目指すための方法について、お話しします。
1.まずはスタイリストの技術を身に付けるのが最優先
訪問美容師を目指すのであれば、まずは「カット」をはじめとする施術技術を習得すべきです。
とくにカットと洗髪・シャンプーは訪問美容で最低限求められるスキルなので、お客様を満足させられるレベルまで技術を磨く必要があります。
アシスタントから施術技術を身に付ける方法としては
・サロンに就業しながら、カットの技術を積む
・カットやカラーの講習・スクールへ通う
・家族や友人などに、カットの練習をお願いする
・ボランティアでカットの練習をお願いする
といったものがあげられます。
おすすめはやはり通常のサロンにアシスタントとして入り、まずはスタイリストとして、一通り業務を回せるまで経験を積むという方法です。数年の時間を要しますが実務を通じて美容師経験を学べるため、訪問美容はもちろん美容師として、十分に収益を得られる人材へと成長できるでしょう。
またより早くスキルを身に着けたいのであれば、店舗業務と並行しながら、休みの時間を使って講習・スクールに通うという方法もあります。
2.訪問美容のアシスタントのバイトから始めてみる方法も
訪問美容師を目指すなら、ごく稀に見かける「訪問美容のアシスタント募集」の求人に応募してみるのもおすすめです。
求人によっては美容師としての実務経験が乏しくても、入社後の研修で一からスキルを習得できるものもあります。
また「応募条件」として「美容師・理容師免許の所持」のみを必須要件としている募集も少なくないため「アシスタント経験のみからチャレンジ可能か」を、一度企業に問い合わせてみるのも良いかもしれません。
3.介護や福祉の知識を身に付けることも重要
美容師としてのスキルが身に着いてきたら、並行して「介護・福祉領域の知識を学ぶこと」も重要です。
実際に現場でお客様を介助する場面はほぼありませんが、知識を備えておくことで、本人やそのご家族に配慮あるサービスがおこなえたり、施設の職員さんとスムーズなやり取りができるたりするためです。
介護福祉について知見を深めたい美容師さんにおすすめなのが、介護業界の中でも入門資格である「介護職員初任者研修」という資格試験です。計130時間のカリキュラムで構成されており、最後に修了試験に合格することで資格を取得できます。
資格を所持することでお客様に安心してもらえるのはもちろん、営業をかける際に施設や病院の施設長さん・ケアマネージャーさんに信頼してもらいやすくなるといったメリットもあります。
⇒ 【おすすめ記事】訪問美容師が「介護職員初任者研修」を受ける本当のメリット│受講者のリアルな声も紹介
4.まずはボランティア・副業として訪問美容活動をしてみるのがおすすめ
訪問美容師として活動をスタートするにあたり「自宅や施設での実践が恐い」「スキルに自信がない」という方は、まずは営利を求めないボランティアカットからスキルを高めていくのもおすすめの方法です。
SNSやインターネットで検索すると、施設に訪問して入居者の方のカットをおこなう、訪問美容ボランティアの募集情報もチラホラ見かけます。
ふだんのサロン現場とは異なる客層・空間での施術方法や、施設スタッフさんとの交流の仕方など、ボランティアならではの経験を積めるでしょう。
⇒ 【おすすめ記事】訪問美容師のボランティア活動とは?内容や始め方・実際のエピソードを紹介します。
またボランティアを通して徐々に現場へ慣れてきたら「副業」というかたちで、本業と並行しながらミニマムに活動をスタートするのがおすすめです。
「いきなり訪問美容師として独立し、ガンガン仕事を取っていこう」とすると失敗のリスクも大きくなるため、小さく始めて、徐々に規模を大きくしていくと良いでしょう。
アシスタントを経て訪問美容師として独立するには?
アシスタントからスキルを学び、美容師として一通りの技術が身に付いたら、訪問美容サービスの開業に向けて準備を進めていきます。
訪問美容師として独立するまでに最低限必要な作業は、以下の通りです。
1.必要な道具を揃える
2.開業届など手続きを済ませる
3.営業・集客活動をおこなう
それぞれの内容について詳しく解説していきます。
【おすすめ記事】訪問美容師になるには?必要手順を5項目で解説(働き方や資格・営業方法など)
1.必要な道具を揃える
訪問美容師として活動が決まったら、まずは最低限必要な道具を揃えていきます。
可能であればカットシザーやコームといった既に持っているアイテムも、サロンで使用するのとは別で揃えておくと良いでしょう。
その他、ドライシャンプーやヘッドが回転するバリカン・コードレスのドライヤーなど、訪問美容向けの便利なアイテムも多数販売されています。
いきなりすべての道具を買い揃えるというより、1回1回の訪問で徐々に必要な道具を増やしていく方法がおすすめです。
⇒ 【おすすめ記事】訪問美容に必要なものリスト保存版!現役プロ2組のおすすめも紹介
2.開業届など手続きを済ませる
個人事業主や副業として訪問美容活動をするのであれば、活動範囲の市区町村に「開業届」を提出する必要があります。
未提出による罰則はありませんが、事業を開始してから1ヶ月以内に提出することが推奨されています。青色申告で確定申告をおこなう場合、開業届の提出が必須となるため、活動開始を決めたら早めに提出するのが望ましいでしょう。
また市区町村によっては、訪問美容活動にあたり、保健センターなどに活動の旨を申告しなければならない場合もあります。
申請の要不要・形式はエリアによって異なるため、開業時は必ず地域の「訪問美容の活動要件」を確認するようにしましょう。
⇒ 【関西2府4県+α】訪問美容を始めるうえで届出が必要な自治体を徹底調査してみた
3.営業・集客活動をおこなう
訪問美容師として活動していくために、スキルの習得と同じくらい大切なのが「営業・集客活動」です。
安定的に収益を伸ばすためにも、まずは施術を依頼してくれるお客様を集める必要があります。
集客のツールとしては
・ホームページ
・チラシ
・SNS
・知人からの紹介
・施設や病院へのテレアポ
など、アナログからデジタルまで様々な方法があります。具体的な集客方法に関しては、以下の記事をご覧ください。
⇒ 【おすすめ記事】訪問美容師が実践したい集客アイデアと事前準備とは?タイプ別に紹介
また自身の家族や友人、サロンワークを続けているのであれば既存のお客様など、周囲の人に「訪問美容活動をはじめたこと」を周知することも非常に効果的です。ぜひ積極的に公言するようにしましょう。
まとめ
「アシスタントから訪問美容師を目指す」をテーマに、その方法や訪問美容師になるための流れについて解説しました。
現在、自身の美容師経験が未熟なことにコンプレックスを持たれている方も、やり方を模索することで、何歳からでも技術の習得は可能です。
まずは無理のない範囲でできることから、コツコツとスキルを磨いていき、ゆくゆくは自信をもって訪問美容師を名乗っていただきたいなと思います。
GOCHOKIでは、今回のように「訪問美容師を目指す美容師さん」に向けたお役立ちコラムを発信しています。