訪問美容に移動式シャンプー台は必要?導入のメリットと選ぶ上でのポイント
訪問美容サービス「GO!CHOKI(ゴーチョキ)」です。
皆さんは、訪問美容を始めるうえで必要な道具と言われると何を思い浮かべますか?
カット用品一式の他に、訪問美容ではゴミ袋やホウキ、ビニールシートといった掃除や衛生用具も欠かせません。
そんな訪問美容の道具として「移動式シャンプー台」も挙げられますが、実は活用できる場合とできない場合があります。
今回は訪問美容における「移動式シャンプー台」について、その役割と選び方を解説いたします。
Contents
そもそも移動式シャンプー台って何?
物にもよりますが、移動式シャンプー台とは、理美容設備がない場所でも快適にシャンプーを行うものです。
小さい介護施設や個人宅にはシャンプー台がないため、訪問美容や介護現場で活用されています。
移動式シャンプー台は重量があるため、1人で持ち運ぶことは難しいケースもあります。訪問先に複数人で行く場合や、車で移動するスタイルをとるのであれば、簡単に運搬できます。
◆訪問美容の現場において移動式シャンプー台は必須ではない
移動式シャンプー台は「訪問美容をする上で、あれば便利なもの」であり、実は絶対に必要というものではありません。
たとえば介護施設の場合は、入浴のタイミングがあるので、その時間に合わせることが出来れば、介護ヘルパーの方に洗髪をお願いしてカットやカラーができます。
個人宅の場合は、ケリーパッドや吸水性パッドを使うことで、寝たきりの方にもシャンプーができます。実際に介護現場では移動式シャンプー台を使わず、新聞紙やタオル・ゴミ袋などを組み合わせて簡易ケリーパッドを自作するヘルパーもいるようです。
移動式シャンプー台を導入するメリットは「サービスの幅が広がること」
訪問美容で必須とは限らない移動式シャンプー台ですが、導入するとこんなメリットがあります。
・座った状態でシャンプーできるため、動作が不自由なお客様をサポートできる
・動作をサポートすることでケガのリスクを軽減できる
・美容室とほぼ同等の設備でシャンプーできる
・サービスの質を上げ、メニューの幅が広がる
訪問美容の場合、「シャンプーなしでカットだけ」というオーダーが多いものです。
「訪問美容でカラーやパーマはできない」と思っている方も多いようです。
そのため、こちらから「ヘアカラーやヘッドスパもできますよ」とご提案するとビックリされることも珍しくありません。
移動式シャンプー台があればシャンプーが必要なオーダーを受けられるので、訪問美容サービスの質を高め、幅を広げることが出来ます。
値段はピンからキリまで。価格によって出来ることが変わる
移動式シャンプー台の価格には大きな幅があり、一概に「○円」とは言えません。価格も機能も幅が大きく、「この1台があればオールマイティに使える」というよりも、状況に応じた物を選択することが大事です。
移動式シャンプー台の価格と機能は、だいたい以下のように分かれています。
・1万円前後:ケリーパッド
・2万円以内:シャンプーボールと排水タンク
・5万円以上:折り畳み式
・10万円前後:給水タンクがありシャワーができる。(美容室とほぼ同じ設備)
2万円以下のものは簡易的であり、持ち運びできても折りたたみ出来ないタイプが多いです。また、ポータブルシャワーは基本的に別売りです。
5万円以上になると給水タンクやポータブルシャワーがついたものもあり、本格的なシャンプー台となります。
◆高いほど良いということは無く、状況に合わせたシャンプー台選びが必要
先ほどご紹介したように、シャンプー台は高価になるほど本格的な仕様になります。しかし、高価なシャンプー台が万能というわけではなく、状況に合わせて使い分ける必要があるのです。
そのため、無理に高価なシャンプー台を導入する必要はありません。
それよりも、「どんな状況でどのアイテムを使うか」というポイントを押さえておく方が重要です。
移動式シャンプー台を選ぶ上で押さえておくべきポイント
移動式シャンプー台は、お客様の状態によっては使えないこともあります。シャンプー台を選ぶうえで、チェックすべきポイントをご紹介します。
お客様の状態を把握しておく
シャンプー台を選ぶ際もっとも大事なポイントは、お客様の状態です。訪問美容では介護や障害など、身体的なご事情を持ったお客様が多くいらっしゃいます。
そのため、シャンプー台を使う前にはかならずお客様の状態を把握して、使えるかどうかを判断する必要があるのです。
まずシャンプー台を選ぶときは、この2つの条件を満たしているかチェックします。
1.お客様が施術場所まで歩けるか
2.水回りの環境が整っているか
お客様が寝たきりの状態なら、本格的なシャンプー台は適していません。
移動させる手間が発生し、お客様にケガを負わせてしまうリスクが上がるためです。
移動が難しいお客様の場合は、基本的にシャンプー台ではなくケリーパッドで対応します。
◆初回の訪問時に「お客様の状態」と「水回りなどの作業環境」を確認して判断する
初回予約の段階では主に電話口で話すだけなので、お客様の状態は完全に把握できません。訪問当日にお客様の状態や水回りをチェックした結果、シャンプーができないこともあります。
初回に訪問してお客様の状態や水回りといった作業環境を確認する時、「シャンプー台が使えるかどうか」という視点でもチェックするようにしましょう。
初回でお客様の状態を含めた作業環境が把握できれば、以降の訪問で持ち込むべきものも判断できます。
給水・排水タンクの大きさをしっかり見ておく
シャンプーでお湯は欠かせませんから、移動式シャンプー台の給水タンクと排水タンクの大きさについても考える必要があります。
訪問美容では、お客様の髪の長さ・ボリュームにもよりますが、1回のシャンプーで使うお湯の量は平均2~5リットルです。
つまり、汚水を受け取る排水タンクは、シャンプーの量を考慮して最低でも4リットル以上は必要です。
余裕を持たせたい場合は、10リットル程度の排水タンクを準備すれば安心して使用できるでしょう。
販売されている移動シャンプー台では、最大で20リットル程度の給水・排水タンクが搭載された移動式シャンプー台があります。
◆訪問美容と美容室で「お湯の使い方」の感覚が違う
完全な設備を備えた美容室とお客様先で施術する訪問美容では、お湯の使い方の感覚はまったく異なります。
美容室は水道から給水されるため、水圧も高くシャンプーがしやすいです。
しかし、訪問美容で使う移動式シャンプー台は、タンクからの汲み上げ式なので水圧が低く、お湯の量にも限りがあります。
訪問美容の時に美容室の感覚でシャンプーをすると、「お湯が足りない」と感じることも少なくありません。
訪問美容でシャンプーをする時は、「節水」を意識する必要がある点において、美容室とは明確に違います。
施術用の椅子の高さも考慮する
美容室のシャンプー台と違う点は、「椅子の高さ」もあります。移動式シャンプー台の場合ほとんどはイスが別売りなので、自分で用意するか訪問先の椅子を借りて代用します。
シャンプー台と椅子の高さが合っていないと、自分が辛いだけではなくお客様の首にも負担がかかります。シャンプーボールと首の間にタオルを挟むなどして、お客様に負担を掛けないような配慮も忘れてはいけません。
移動式シャンプー台に代わる「ルームシャンプー」という製品もある
メリットが大きい移動式シャンプー台ですが、お湯の処理など手間がかかる面もあります。最近では、移動式シャンプーに代わる商品として「ルームシャンプー」が注目されています。
ルームシャンプーは、本体を掃除機とつなぎ、シャワーヘッドを頭皮に押し付けて使うもので、「お湯を吹き付ける」「吸い込む」という2つの作業を同時に行います。
そのためお湯をこぼさずシャンプーの泡をすすぐことができ、訪問美容や介護といった現場で注目されている商品です。
家庭用の掃除機さえ準備すれば使えますし、給水と排水が完全に分かれているので衛生的に使用できます。
ルームシャンプーについて興味のある方は、こちらよりお気軽にお問合せください。
まとめ:移動式シャンプー台を知ることで訪問美容の幅が広がる!臨機応変に選びましょう
訪問美容における移動式シャンプーについて、メリットや選び方をご紹介しました。美容室のように設備が整っていない訪問美容では、シャンプー台を始め設備も自分で準備したり工夫したりする必要があります。
しかしご紹介したように、移動式シャンプー台は必須ではありません。また、お客様の状態や環境によっては使えないケースもあります。しかし移動式シャンプー台の機能や設備について知っておくと、今後の施術内容の幅を広げることができます。
この記事が、訪問美容を始める方にとって参考になれば幸いです。