訪問美容師の給料はどのくらい?サロンワークとの比較や給料アップの方法も
訪問美容師として独立を予定している方のなかには、「収入がどれくらいなのか気になる」「訪問美容で生活できるのか不安」という方もいるでしょう。
そこでこの記事では、訪問美容師として独立した場合の収入に関して、次の項目を解説します。
- ・訪問美容師の売上の相場
- ・訪問美容はサロンワークの給料と比較してどれくらいか
- ・訪問美容とサロンワークの違い
- ・収入アップの方法
- ・訪問美容のメリット・デメリット
訪問美容師として勤務する場合の給料の目安についても解説しているので、ぜひ参考にしてください。
Contents
訪問美容師の給料の相場
訪問美容の給料は、勤務形態やエリアなどによっても異なりますが、目安を知っておくと安心でしょう。
独立している訪問美容師の場合、1日2~3件を訪問し、1件の単価が5,000円だとすると、1ヶ月で22日勤務した場合の収益は次のようになります。
2.5件×単価5,000×22日=275,000円
ここから、交通費や経費などを差し引くとさらに収入は低くなります。
続いて、求人サイトに掲載されている訪問美容師の給料を確認してみましょう。東京都で正社員として勤務する場合、訪問美容師の給料の目安は20~25万円程度です。
また、訪問美容師としてパートやアルバイトで勤務する場合、東京都の時給の相場は1,200~1,500円程度でした。
訪問美容師の給料は勤務先によっても大きく異なるので、ここで紹介する数字はあくまでも参考程度に留めておいてください。
また地域によっても給料の相場は異なるので、勤務を希望する地域の求人を確認してみましょう。
訪問美容師は儲かるのか気になる方は、次の記事で訪問美容師の収入に関連する内容を解説しているので参考にしてみてください。
→ 訪問美容は儲かる? 儲からない? 効率よく収益をアップする方法・働き方を解説
訪問美容はサロンワークの給料と比較してどれくらい?
訪問美容の給料は、サロンワークと比較してどの程度なのか気になりますよね。
厚生労働省が実施した「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、サロンワークの月収は265,000円、年間賞与は60,700円※とのことです。
これに対して、訪問美容の売上の目安は、275,000円です。訪問美容は交通費や経費も差し引かれることも考慮する必要があります。
訪問美容の1日の件数を増やしたり、単価を上げたりすればサロンワーク以上の収入を得ることも可能です。
※企業規模計(10人以上)
訪問美容とサロンワークの違い
訪問美容とサロンワークの給料に違いがあることがわかりましたが、給料以外にどのような違いがあるのでしょうか。
訪問美容とサロンワークの違いには、次のようなものがあります。
- ・対象者
- ・主な働き方
- ・単価
決定的に異なるのが、対象となるお客様です。サロンワークは美容室に来る方が対象者なので、幅広い年齢層のお客様が対象です。
一方訪問美容は、高齢や病気、ケガ、妊娠などで美容室に行けない方が利用するため、対象者の幅が狭いのが特徴です。
また働き方に関しては、サロンワークは美容室に雇用されて勤務する方が多いですが、訪問美容は独立している方も数多く見られます。独立すれば自分の裁量で働けるので、サロンワークよりも自由度が高い働き方が可能です。
さらに、サロンワークと訪問美容では、施術の単価も異なります。特に施設での訪問美容は施術人数が多くなるため、サロンワークよりも単価を低めに設定する傾向があります。
このように、訪問美容とサロンワークにはさまざまな違いがあります。
給料アップの方法
訪問美容師が給料を上げるには、次の3つの方法があります。
- ・福祉の知識を身に付ける
- ・営業活動に力を入れる
- ・リピーターを増やす
それぞれの方法を確認していきましょう。
福祉の知識を身に付ける
訪問美容を利用するお客様は介護が必要な高齢者が多いため、介護の知識が求められることが多いという実情があります。そのため、介護や福祉の知識を身に付ければ、実務で役立ちます。
介護や福祉の知識を身に付ける方法として、介護職員初任者研修を受講するのがおすすめです。
介護職員初任者研修とは、介護の仕事に就くうえで最低限知っておきたいことを学ぶことができる資格のことで、年齢や学歴などを問わずに受講できます。資格を得るには講義と演習から構成される約130時間の研修を受け、終了試験に合格する必要があります。
介護職員初任者研修を受講すれば実務で役立つだけでなく、利用者からの安心感にもつながるでしょう。
営業活動に力を入れる
独立している訪問美容師は、営業活動を一から自分でしていかなければいけません。そのため、給料アップを実現するには営業活動に力を入れることが大切です。
営業活動の方法には、ポスティングやSNSでの発信、ホームページやブログの作成、ケアマネジャーからの紹介などがあります。また、病院や介護施設などへの営業も有効です。
さまざまな営業活動の方法を組み合わせて、効率的に集客していくことが大切です。
リピーターを増やす
訪問美容師として独立したら、誰もが始めのうちは不安定でしょう。安定して仕事をしていくには、リピーターを増やすことが有効です。
お客様が丁寧な対応や施術をしてもらえたと感じてもらえれば、自然とリピートにつながるはずです。リピーターを獲得するためには、予約時のやり取りや施術当日の対応、施術の丁寧さなどの基本的なことをしっかりとすることが大切です。
そのほかに、介護の知識を身に付ければ、お客様に安心してもらえることでリピートにつながる場合も多いでしょう。
訪問美容のメリット
最後に、訪問美容のメリットとデメリットについても確認しておきましょう。
まずは、訪問美容のメリットとして次の3点を紹介します。
- ・独立すれば自由に働ける
- ・開業資金が少なくて済む
- ・今後需要が拡大する可能性がある
独立すれば自由に働ける
サロンワークをしている美容師さんのなかには、サロンの勤務時間や休日の関係でプライベートの時間を持ちにくい方もいるかもしれません。
訪問美容師として独立すれば、働き方次第によっては自由に働けるのがメリットです。
訪問先を効率的に回れば時間単価が増えますし、その分勤務時間を減らすことも可能です。また自分の予定に合わせて予約を入れることも可能なので、サロンワークと比べてプライベートとの両立もしやすいでしょう。
開業資金が少なくて済む
美容師として独立すれば店舗を持つ必要があるので、開業資金が1,000万円を超えることも。
その点、訪問美容として開業すれば開業資金が少なくて済む点がメリットです。車や移動式シャンプー台などの大掛かりなものを揃えなければ、3~5万円程度の費用で開業することができます。
訪問美容師として開業時に必要なものの一例は、次のとおり。
- ・消毒器具類
- ・カラー材などの材料費
- ・はさみやドライヤーなどの道具
- ・移動用のワゴンなど
また、訪問美容師の研修を受けたり、介護に関する研修を受けたりする場合は受験や受講の費用がかかります。
さらに、移動用の車を購入する場合は、数百万円の開業資金が必要です。しかし、一般的な美容室を開業するのと比較すると安く済む場合が多いでしょう。
今後需要が拡大する可能性がある
日本では高齢化が進んでいるため、今後訪問介護の需要が拡大する可能性が高いです。
平成29年には90歳以上の人口が初めて200万人を超えたように、介護が必要な方が増えています。(出典:高齢者の人口|総務省統計局)
さらに、自宅での介護の需要も増えているという実情があります。厚生労働省が実施した終末期の療養場所に関する希望を調査したデータでは、「自宅で療養して、必要になればそれまでの医療機関に入院したい」と「自宅で療養して、必要になれば緩和ケア病棟に入院したい」の合計の割合は次のとおりです。
年 | 全体の割合 |
平成20年 | 52.4% |
平成15年 | 48.3% |
平成10年 | 48.7% |
また、同調査では療養に関する希望に関して「自宅で介護してほしい」という方は41.7%と多くの割合を占めています。
高齢社会の進展により、今後さらに自宅での介護需要が高まることが予想されます。
訪問美容のデメリット
訪問美容のデメリットには、次の2点があります。
- ・軌道に乗るまでの収入が少なくなる
- ・自分で集客をする必要がある
軌道に乗るまでの収入が少なくなる
訪問美容に限らずどのような職種の方でも、多くの場合は軌道に乗るまでの間は収入が少なくなるという点は覚えておく必要があります。
開業してからは、営業活動や介護の知識の習得、スキルアップなど、やるべきことを把握し、こなしていくことが大切です。その積み重ねが収入アップにつながるでしょう。
自分で集客をする必要がある
訪問美容師として独立したら、自分で集客をする必要があります。
そのため営業活動が苦手な方は、開業したばかりの頃は大変かもしれません。しかし、営業活動には訪問先に足を運ぶ以外にも、SNSやブログ、ポスティングなどさまざまな方法があるため、自分に合う方法を見つけることが大切です。
また、リピーターが増えてくれば、そこまで営業活動に力を入れなくても安定して仕事を受注できるでしょう。
「軌道に乗るまで生活できるか不安」という方は、ある程度のお金を貯めてから開業するのがおすすめです。
まとめ
訪問美容師としての給料は働き方によって大きく異なりますが、目安としては28万円程度となります。しかし、交通費や経費などもかかるので、実際の手取りはもう少し少なくなるでしょう。
サロンワークと比較して収入が少なくなる方もいるかもしれませんが、訪問美容師として独立すれば自分の裁量で働ける、働き方によってはサロンワーク以上の収入を得られるなどのメリットがあります。
GOCHOKIでは、訪問美容師になりたい方に役立つ内容の記事を多数掲載しています。訪問美容に興味がある美容師さんは、ぜひ参考にしてください。