美容師は休みが取りづらい?休日事情と休みが取りやすい働き方を解説
「美容師は休みが取りづらい」「美容師は休日が少ない」と言われますが、それは本当なのでしょうか?
働いて生活していく上で大切にしたい休日。
この記事では「美容師の一般的なお休み事情」「休みの取りやすい美容室の見つけ方」をお伝えしたあと、美容師として一般的な働き方以外の「休みの取りやすい働き方2選」をお伝えします。
今後のキャリアを考える上で参考になると思いますので、ぜひご覧ください。
Contents
美容師の一般的なお休み事情
店舗で働いている美容師は、どのくらい休みが取れているのでしょう?
ここでは、週あたりの休日数や年間休日数、有給休暇などについてお伝えします。
週あたりの休日数
一般的な美容師の休日は「週1回+隔週1日」の週1〜2日あるといわれます。
1ヶ月で考えると、およそ月6〜7日休みになることが多いようです。
また、学校や会社がお休みとなる土日祝日は美容師にとって繁忙期となるので、基本的には平日にお休みを取ることになります。
なので、美容室の定休日は多くの場合、月曜、火曜に設定されています。
平日休みには「混雑していないときに遊びにいける」「旅行の交通費やホテル代が安く済む」など、メリットもあります。
一方、「土日祝開催のイベントに行けない」「土日休みの友人と予定が合わない」などのデメリットもあります。
上記のお休み事情は、あくまで一般的なものです。
最近は労働環境の見直しや働き方改革の影響もあり、完全週休二日制や土日どちらかは休める、長期休暇の制度があるなど、上記とは異なる労働環境の美容室も少しずつ増えてきています。
美容師の年間休日数
美容師の年間休日数は、100日前後といわれています。
週に1〜2回休日があれば単純計算すると年間48〜96日休みになりますが、実際には年末年始休暇やお盆休暇などがあるので、やはり年間休日数はおよそ100日前後といえるでしょう。
この100日前後という数字は、他業種と比べるとやはり少ない傾向にあります。
ただ、労働基準法によると、一日8時間働く労働者の休日は、雇用者が年間104日以上与えなければならないとされています。
労働基準法から引用:
四 対象業務に従事する対象労働者に対し、一年間を通じ百四日以上、かつ、四週間を通じ四日以上の休日を当該決議及び就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより使用者が与えること。
第四十一条の二の四、労働基準法
美容師は有給休暇は取れる?
美容師が有給休暇を取れるかどうかは、働いている美容室によるところが大きいです。
美容師スタッフが足りていないところでは有給休暇を取りづらく、十分なスタッフ数が確保されている店舗では比較的有給を取りやすいでしょう。
とはいえ、有給休暇は労働者の権利です。
最近、労働環境の整備が進み、年5日の有給休暇取得が義務化されました。
(参考:年5日の年次有給休暇の確実な取得、厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署)
今後はさらに有給休暇の取りやすい環境整備が進むと考えられます。
労働環境、待遇のよい美容室を探すのであれば、有給休暇を含む休暇取得に対する雇用者の姿勢を判断基準のひとつにしてもよいでしょう。
美容師の休日の過ごし方|スキルアップ、趣味、休養
美容師の休日の過ごし方は、当然ではありますが個人差があります。
その過ごし方の中でも、主に以下の3つに大別することができるでしょう。
スキルアップに時間を使う
休みの日も、美容師としてのスキルアップに時間を使う美容師の方も多くいます。
特に研修や講習、ヘアスタイリングの撮影会などに参加する方が多いようです。
研修、講習:
技術のある先輩美容師によるヘアカットやヘアカラーの指導だけでなく、接客技術や一般教養、心理学やビジネス知識の講座など、さまざまな研修、講習が行われている。
撮影会(ヘアスタイリング):
美容師がカットモデルに施術し、ヘアスタイリングから撮影まで行う。
先輩美容師の技を学ぶ機会や、自分のスキルを試す場になる。
「先輩の技術を知り、身につけることで、早くキャリアアップしていきたい」という美容師は、このように休日にもスキルアップに勤しんでいます。
趣味をして過ごす
せっかくのお休み、自分の趣味にしっかり時間を使う、という美容師もたくさんいます。
ただ、美容やファッションに興味ある美容師も多いため、「趣味を楽しむことが、結果的に仕事に役立つ」こともよくあるようです。
ショッピング:
いま流行の服や美容品を見る、カフェを訪れる、といった中で楽しみながら最新の情報に触れるなど。
美術館に行く、映画を観る:
綺麗なものや感性に訴えるものを味わいに行く。
ヘアアレンジやSNS投稿などの参考にするなど。
どのようなことであっても、趣味を楽しむことはお客様との会話の引き出しを増やすことにつながります。
人としても魅力を磨くことは、リピーター獲得にもつながりますので、ある意味こちらもスキルアップのひとつともいえるでしょう。
休養する
ゆっくりと休んで英気を養う、という美容師さんももちろんいます。
週に1〜2日のお休み、日頃美容室で施術・接客している疲れを癒すため、仕事に備えてゆっくりと休むことも大切です。
休みの日に美容師業のことを忘れてしっかりと休養することで、仕事に戻ったときには高いパフォーマンスを発揮できるでしょう。
休みが取りやすい美容室の見つけ方3選
美容室で働くとき「休みの希望が通りやすいほうがいい」と思っているのであれば、以下の3つの点を判断基準にするとよいでしょう。
シフト制かどうか
美容室は「定休日が休み」のお店と「シフトで休みを決める」お店に分かれます。
もしあなたが「自分が希望した日に休みを取れるほうがいい」「土日休みもほしい」と思っているのであれば、シフトで休みを取れる美容室をオススメします。
とはいえ、美容師が足りていなければ、シフト制のお店でも希望した休みを取りにくいことが考えられます。
できるだけ人員が充足していて、シフト制で休みが取れる美容室を探してみてください。
年間休日日数の多さ
「求人票を確認する」「口頭で確認する」などの方法を使って、年間休日日数を確認しておきましょう。
先ほどもお伝えした通り、労働基準法によって年間104日以上の休日を設けることが、雇用者(美容室オーナー)には義務付けられています。
(参考:第四十一条の二の四、労働基準法)
そのため「年間休日日数が104日を超えているか」ということはまず確認しておきましょう。
年間休日日数は多ければ多いほど、余裕を持って働ける職場である可能性が高くなります。
もちろん、年間休日日数だけですべてが分かるわけではありませんが、ひとつの指標として確認しておきましょう。
有給休暇取得率の高さ
面接を受けるときなどに、口頭で「有給休暇の取得率」について確認することをオススメします。
面と向かって聞きにくいことではありますが、この有給休暇取得率が低ければ「有給休暇があっても取らせてくれない、もしくは状況的に取りにくい職場だ」ということになります。
もしあなたが「有給休暇もしっかり使いながら、ある程度余裕のある働き方がしたい」と思っているのであれば、有給休暇取得率は絶対にチェックしてほしいポイントです。
休みの取りやすい働き方①「フリーランス美容師」
フリーランス美容師は、集客やブランディングなどの難しさはありますが、自分で休みを決めることができるため休みを取りやすい働き方のひとつといえます。
ただやはり、自分ひとりで全てをこなしていく必要があるので、施術の経験や経営の知識なく挑戦するのが難しい働き方でもあります。
将来フリーランス美容師として
・自由な働き方をしたい
・雇われよりも収入アップしていきたい
・自分がやりたいと思える仕事をしていきたい
と思っている方は、ぜひ以下コラムを参考に、着実に準備をしてみてください。
関連コラム:
フリーランス美容師の集客方法7つ|成功するために押さえたいポイント
休みの取りやすい働き方②「訪問美容師」
「訪問美容」は髪を切りたくても店舗へ足を運べない高齢者・要介護者の元へ訪問し、カットやシャンプーなどサロン同様の施術を行うサービスです。
この「訪問美容」では、お客様のもとに「訪問」して施術するため店舗が必要ありません。
また「予約された時間にお客様のもとに行き、施術をする」という働き方になるため、一般的な美容師と異なり、労働拘束時間が短くなります。
土日休みを取りやすいのも、この働き方の特徴です。
お客様に高齢の方が多いため、年配の方や要介護の方に対する接客に詳しくなる必要はありますが、美容師として休みの取りやすい働き方のひとつといえるでしょう。
深刻化する少子高齢化に伴い、この訪問美容の需要は今後ますます高まっていくと予想されています。
余裕のある働き方を模索されているのであれば、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
関連コラム:
訪問美容の始め方を5項目で解説!現役美容師のアドバイスも紹介
知っておきたい訪問美容師のメリット・デメリット| 収入の話や活動の始め方も解説
訪問美容師インタビュー Vol.1│お客様の一生に寄り添える美容師でありたい│洞 聡史(ホラ サトシ)さん
訪問美容師インタビュー Vol.2│訪問美容とは「生涯の美容師」としてお客様に携わる仕事│重本 恵美子(シゲモト エミコ)さん
訪問美容師インタビュー Vol.3│「福祉」と「美容」を繋ぐために尽力したい│萩平 浩一(ハギヒラ コウイチ)さん
まとめ
ここまで「美容師の一般的なおやすみ事情」「休みの取りやすい美容室の見つけ方」に加えて、「休みの取りやすい働き方」としてフリーランス美容師、訪問美容師をお伝えしました。
当サイト「GOCHOKI」では、訪問美容師になりたい方に役立つ内容の記事を多数掲載しています。
訪問美容に興味がある美容師さんは、ぜひ参考にしてください。