美容師に求められる接客スキルとは?好印象を与えるためのポイントを紹介
美容師という仕事は、カットやカラーの技術はもちろんですが、接客スキルもかなり必要になります。
施術がうまくても、口下手だったり、うまくコミュニケーションが取れないというだけでリピーターを逃してしまうこともあるでしょう。
ここでは
「美容師に求められる接客スキルのポイント5つ」
「お客様との会話で求められる接客のコツ5つ」
を主にお伝えします。
さらに「接客スキルの上達方法」や「”訪問美容”という一般的な美容室とは違う働き方」もお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
Contents
美容師に求められる接客スキルとは?
美容師という仕事は、まずお客様へのカウンセリングから始まります。
この時に、お客様の髪の悩みや理想のヘアデザインなどをきちんと聞き取って、お客様が満足できるカットやカラーの提案ができる人が、人気の美容師になっていきます。
接客スキルのある美容師は、お客様の望んでいない施術を提案したりはしません。
ガツガツ営業をかけていくのではなく、お客様の理想像を会話の中ではっきりさせ、その理想の状態に近づいていくための方法を提案するのです。
なので、接客スキルだけを鍛えても美容師としては良くありません。
同時に施術の知識やスキルも上げていく意識を持つことが求められます。
また、美容室という場所は、カットやカラーに時間がかかることから、自然とお客様の滞在時間が長く、美容師とお客様の会話時間も長くなります。
この記事で接客のポイントやコツを学び、お客様が心理的にも満足できるようなサービスを提供できるようになっていきましょう。
美容師の接客において、まず押さえておくべき重要ポイント5つ
それでは、具体的な接客のコツについてお伝えする前に「まずこれは絶対に押さえておきたい!」という接客の重要ポイントについてお伝えします。
①身だしなみを整える
②元気に挨拶をする
③報告・連絡・相談をしっかり行う
④安心感を与えるために笑顔で接客する
⑤基本、丁寧な言葉づかいを崩さない
①身だしなみを整える
まず絶対に押さえておきたいのは「身だしなみ」です。
清潔感のある格好というのは、美容師という「美容に関わる仕事をする者」にとって、何より大切になってきます。
具体的には以下のような点を意識して、綺麗な身だしなみをしておきましょう。
髪:
清潔感ある髪型にしておく。
「ボサボサ」「ベタついている」といった印象を与えないようなヘアスタイルにする。
爪:
施術がしやすい長さに切り揃える。
「長すぎる」「爪先が汚れている」といったことのないようにする。
服:
できるだけ季節感や流行を押さえた服を着る。
施術用のエプロンやユニフォームなどがある場合は、できるだけこまめに洗濯する。
アクセサリー:
派手すぎるものや大ぶりなデザインのものは施術の妨げになるので避ける。
匂い:
口臭や体臭に気を付ける。
香水も、苦手なお客様もいるので、つけすぎないようにする。
②元気に挨拶をする
基本中の基本かもしれませんが「元気に挨拶をする」ということもとても重要です。
お客様が来店されたときは「〜〜様/さん、こんにちは!」と明るく挨拶をしましょう。
その際、「来てくれてありがとうございます」「お待ちしてました」という気持ちを持って挨拶すると、その気持ちも伝わってよりよい印象を与えることができます。
③報告・連絡・相談をしっかり行う
まだ美容師としての経験が浅い場合、先輩からの指示を受けながら施術のアシスタントをすることになります。
そのとき、指示を聞き間違えたり、間違った施術を実施してしまっては、お客様からの信頼を大きく損なうことになりかねません。
特に、以下のような点に注意して、報告・連絡・相談をしっかりと行うようにしましょう。
5W1Hを押さえて聞く:
「いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように」といった5W1Hを押さえて聞くよう注意しましょう。
聞き取れていないとき、わからないときは、あいまいにせず先輩に聞き直しておくことが大切です。
指示が複数出たときは優先順位を確認する:
先輩からの指示がいくつか出て、何を先にやればいいかわからないときにも、先輩に確認するようにしましょう。
指示された作業が終わったら報告+次の指示を聞く:
先輩に指示された作業が終わったら「〜〜が終わりました。次にする作業はありますか?」と報告して、次の指示を確認しましょう。
④安心感を与えるために笑顔で接客する
お客様に安心感を与えるためには、何より笑顔が大切です。
良い施術をしていても、不機嫌そうにしていたり余裕のない表情をしていては、お客様に不安感を与えてしまいます。
そうすると「聞きたいことがあるけど、この美容師さんちょっと怖いし聞くのやめとこうかな」と、ヒアリングの機会を逃してしまうこともあるでしょう。
お客様が安心してなんでも聞ける関係性を築くために、笑顔を大切にした接客をしていきましょう。
⑤基本、丁寧な言葉づかいを崩さない
最後にお伝えするのは「基本的には丁寧な言葉づかいを崩さない」ということです。
お客様との関係性がある程度できてきたときに注意が必要なのが、友達のような雰囲気になり、言葉づかいが崩れすぎてしまうことです。
もちろん、仲良くなるのはいいことですし、言葉づかいが多少フランクになるのは問題ないのですが、それが行きすぎると「ちょっとなれなれしすぎるな」「ちゃんと施術してくれているのかな」という不満や不安を感じさせてしまいます。
基本的には丁寧な言葉づかいを崩さず施術することを心がけましょう。
お客様との会話で求められる接客のコツ5つ
ここからは、実際の接客場面で求められる「具体的な接客のコツ」を5つお伝えします。
①話し方:お客様が理解しやすい言葉・説明
②聞き方:お客様が安心して話せる環境をつくる
③自己開示する
④お客様の話を膨らませる
⑤お客様の情報をメモしておく
①話し方:お客様が理解しやすい言葉・説明
お客様と話すときは、美容業界の専門用語などは避け、お客様にとって理解しやすい言葉でヘアスタイルやカラーなどの説明をすることが大切です。
美容師として働いていると美容業界の言葉に慣れてしまい、お客様にも専門用語を使いながら説明をしてしまうことがあります。
ですが、「いろいろ説明してくれたけど、結局何が何だかあまりよくわからなかった」とお客様が感じるような説明をしてしまっては、次にはつながらないでしょう。
お客様との会話の際には「どういった説明がお客様にとってわかりやすいのか」という視点を常に持っておくことが大切です。
②聞き方:お客様が安心して話せる環境をつくる
お客様の話を聞く時には「お客様が安心して話せる環境」をつくることが大切です。
たとえば、以下のようなポイントを押さえるだけで「安心して話せる環境」に近づけることができます。
アイコンタクト:
ときおり、お客様の目を鏡越しに見て「お話を聞いていますよ」という雰囲気を出す。
相槌:
お客様の話の邪魔にならないタイミングで相槌を打つ。
穏やかな表情:
少しだけ口角を上げ、穏やかな表情で聞く。
話を最後まで聞く:
質問などをしたいときは、相手の話を聞き終わってから話し出す。
「相手が安心できているか」「リラックスできているか」ということを気に留めながら、上記のポイントを実践することで、だんだんと聞くのが上手な美容師に近づいていけるでしょう。
③自己開示する
人は、初対面だと特に、なかなか自分の内面を明かしたがりません。
それは、美容室のお客様の場合でも同様です。
そういったときに「こちらから先に内面を見せる(自己開示をする)」ことで、お客様が話しやすい環境を作るというテクニックがあります。
「内面を見せる」といっても、深い話をする必要はありません。
あなたが好きなことや興味あること、最近したことなど、あなた自身の話を少し開示することで、話しやすい雰囲気に近づけることができます。
具体的には、以下のような話題が考えられます。
自分が好きなことについて:
映画、テレビ、YouTube、ドラマ、ファッション、アクセサリー、食べ物、料理、音楽、ペット、旅行、など。
最近何をしたか:
先週のお休みに何したか、先月したことで印象的なことは何か、ここ最近でした大きな買い物、ここ最近で行ったところ、など。
ただ、自己開示をしても、お客様が「そのことについて全然知らない」可能性ももちろんあります。
その場合、別の話題に変えられるように、ストックは4〜5つほど用意しておくことをオススメします。
④お客様の話を膨らませる
こちらの自己開示だけでなく、お客様の自己開示を見逃さないことも大切です。
お客様が「自分の好きなこと」や「最近あったこと」などのお話をされたら、それに興味を持って質問するようにしましょう。
そうすると「この美容師さんは自分に関心を持って話を聞いてくれる」とお客様に好印象を残すことができるでしょう。
⑤お客様の情報をメモしておく
④でお伝えしたように、お客様に好印象を持ってもらい、リピーターとなっていただくには「そのお客様に関心を持って、知ろうとする」姿勢が大切です。
なので、施術が終わった後には、そのお客様との会話や情報をメモして残しておくようにしましょう。
そうすることで次回来店の前にメモを確認し、前回の話題を思い出しておくことができます。
「以前何を話したかを覚えてもらえている」ということは、お客様にとって嬉しい経験となるでしょう。
美容師に求められる接客スキルをさらに上達させるために
ここまでにお伝えしたようなポイントやコツを押さえるだけでも、接客スキルの上達は目指せます。
ただ、さらなる上達を目指していきたい場合には「他人に見てもらう」という工夫をしてみるとよいでしょう。
なぜ人に見てもらうことが効果的かというと、どれだけ接客に気を使っていても、自分の姿を自分で確認することはできないからです。
美容室スタッフ全体で勉強会を開くなどして
・自分の接客はどうすればさらに改善するか
・美容室全体で他に改善できる点はないか
といった点をお互いに話し合うことで、さらなる接客スキルの向上につながるでしょう。
もし、他人に確認してもらうことができないという状況であれば、「話し方などを録画して自分で確認する」という方法もとても効果的なのでオススメです。
「声が意外とモゴモゴしている」「話すとき身体が動いている」「下を向きがち」など、自分では気づいていなかった癖に気づくことができます。
また、「接客スキル上達のために、これ以上何をすればいいのかわからない」と行き詰まりを感じている場合は、接客の上手い美容師や美容室のやっていることを観察することで、行き詰まりを打開していくことができるでしょう。
一般的な美容室以外に、訪問美容師として働くという選択肢もある
もし、「接客が苦手で、美容師に向いていないのかも…」とお悩みであれば、訪問美容師という働き方を検討してみてもいいかもしれません。
訪問美容とは、高齢の方や障害のある方など美容室まで足を運ぶのが難しい方向けに、美容師がお家や施設に直接訪問して美容サービスを提供するお仕事です。
この訪問美容師と、一般的な美容師の大きな違いは「対象にする顧客層が異なる」という点です。
一般的な美容室では、幅広い年代や属性の方の施術を行うのに対して、訪問美容師はその性質上お客様の属性が高齢の方や障害のある方に絞られます。
訪問美容では、高齢の方に対して施術することが多いため、介護の知識が少し必要になります。
ただ、高齢の方と話す方が向いているという美容師の方であれば、一般的な美容室よりも訪問美容の方が向いているといえるでしょう。
もし、あなたのお悩みの要因が
「いろいろな年代・属性の人と会話をするのが難しい」
「若い人と会話をするのに苦手意識がある」
といったものであれば、訪問美容師をぜひ一度検討してみてください。
→ 知っておきたい訪問美容師のメリット・デメリット| 収入の話や活動の始め方も解説
→ 訪問美容師の需要と現状│更にニーズの高まる訪問美容の業界で活躍するために
→ 訪問美容師の給料はどのくらい?サロンワークとの比較や給料アップの方法も
まとめ
ここまで「美容師に求められる接客スキルのポイント5つ」や「お客様との会話で求められる接客のコツ5つ」といった情報を主にお伝えしてきました。
また、それに関連して「訪問美容師」という異なる働き方も提示しました。
接客といっても、誰を相手とするかでポイントやコツは少しずつ変わってきます。あなたが美容師としてよりよい接客をするために、この記事の情報がお役に立てば幸いです。
当サイト「GOCHOKI」では、訪問美容師に関心ある方に役立つ内容の記事を多数掲載しています。訪問美容に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。