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在宅介護のために外出できない介護者の方へ|利用できるサービス5選

2024.02.22

在宅介護のために外出できない介護者の方へ|利用できるサービス5選

在宅介護をしている人の中には「親を残して家を離れられないから、なかなか外出ができない」と悩む方が多くいらっしゃいます。

そんなとき、介護者の外出をサポートするサービスとしてデイサービスやショートステイがあります。

そういったサービスは、冠婚葬祭や子どもの学校行事・授業参観、市役所の手続きなどのときだけでなく、普段の買い物や趣味、旅行といった私用の際に利用することも可能です。

親も自分もお互いに余裕のある状態で介護を続けていくために、ぜひ介護の休息(レスパイト)を適切に取っていきましょう。

ここでは、「介護者の方が外出するために利用できる介護サービス5選」「介護の休息(レスパイト)の重要性」についてお伝えします。

在宅介護のため、外出できない方が利用できる介護サービス5選

日々の買い物や旅行、冠婚葬祭、子どもの学校行事などで外出したい。
そんなときに利用できる介護サービスを紹介します。

ここで紹介するサービスは、やむをえない事情のときだけでなく、介護者の休息や趣味の活動のために利用することももちろん可能です。

①デイサービス(通所介護)
②デイケア(通所リハビリテーション)
③ショートステイ(短期入所生活介護)
④訪問介護・訪問看護
⑤訪問美容

①デイサービス(通所介護)

在宅介護のために外出できない介護者の方へ|利用できるサービス5選

まず、7〜8時間の外出を支えるサービスとして「デイサービス(通所介護)」があります。

デイサービスでは日中の間の7〜8時間、親を施設で預かってもらい、食事や入浴といった介護をしてもらえます。
また、家から施設までは送迎車を出してもらえます。

デイサービスは介護保険が利用できるサービスですが、利用するためには先にケアマネージャーにケアプランを作ってもらう必要があります。

当日にいきなり頼むことはできませんので、その点ご注意ください。

デイサービスは要介護1〜5の方が対象となっています。
認定の区分によって利用者負担が異なり、以下のようになっています。

〇デイサービス(通所介護)の利用者負担(介護保険利用時)
要介護1〜5の方(1回につき)
・要介護1:655円
・要介護2:773円
・要介護3:896円
・要介護4:1,018円
・要介護5:1,142円
※料金は2024年2月時点のものです。
※参考:厚生労働省 通所介護(デイサービス)

利用料などは、お住まいの地域によって少し異なる可能性があるので、実際に利用される際はケアマネージャーなどに相談して確認してみてください。

②デイケア(通所リハビリテーション)

デイケア(通所リハビリテーション)も、デイサービスと同じく施設で利用することのできる介護サービスです。
こちらは要介護認定がある人の場合、日中6〜7時間ほどの間、利用できます。

デイケアは通所リハビリテーションという名前が後ろについていることからもわかるように、より「介護予防」に重点が置かれたサービスです。

介護を受けている人ができる限り自立した日常生活を送れるように、デイケアでは、食事や入浴などの日常生活の支援や、利用者の生活機能を向上するための訓練、口腔機能向上サービスなどが提供されます。

また、デイケアは要支援の認定でも利用することができます。
要支援、要介護の区分ごとの利用料は以下の通りです。

〇デイケア(通所リハビリテーション)の利用者負担(介護保険利用時)
要支援1、2の方(1ヶ月につき)
共通的サービス(日常生活の支援)
・要支援1:2,053円
・要支援2:3,999円
選択的サービス
・運動機能向上:225円
・栄養改善:200円
・口腔機能向上(Ⅰ):150円
・口腔機能向上(Ⅱ):160円

要介護1〜5の方(1回につき)
・要介護1:710円
・要介護2:844円
・要介護3:974円
・要介護4:1,129円
・要介護5:1,281円

※料金は2024年2月時点のものです。
※参考:厚生労働省 通所リハビリテーション(デイケア)

こちらもデイサービスと同じく、利用料などはお住まいの地域によって少し異なる可能性があります。

実際に利用される際はケアマネージャーなどに相談して確認してみてください。

③ショートステイ(短期入所生活介護)

在宅介護のために外出できない介護者の方へ|利用できるサービス5選

ステイという名前からもわかる通り、1泊以上、施設に入所して介護をしてもらえるサービスです。

要介護度や事情によっては、最大30日連続で利用することも可能です。

特別養護老人ホームなどで預かってもらえるので、ショートステイでは心身機能の維持回復、入浴や食事など日常生活上の支援を受けられることに加え、介護を受けている人の孤立感の解消に繋がる場合もあります。

利用対象者は以下のようになっており、やむをえない事情だけでなく介護者の負担軽減のためにも利用することができると明記されています。

ショートステイ利用対象者
・利用者の心身の状況や病状が悪い場合
・家族(介護者)の疾病、冠婚葬祭、出張
・家族(介護者)の身体的・精神的負担の軽減
など

利用者負担は以下の通りです。

〇ショートステイ(短期入所生活介護)の利用者負担(介護保険利用時)
要支援1・2の方(1日につき)
・要支援1:446円
・要支援2:555円

要介護1〜5の方(1日につき)
・要介護1:596円
・要介護2:665円
・要介護3:737円
・要介護4:806円
・要介護5:874円

※料金は2024年2月時点のものです。
※参考:厚生労働省 短期入所生活介護(ショートステイ)

実際に利用されるときは、地域のケアマネージャーに相談して内容や金額を確認しましょう。

④訪問介護・訪問看護

「外出したい」という希望だけではなく「介護のサポートを受けたい」「介護の専門家に相談できる環境が欲しい」という介護者の方には、訪問介護や訪問看護がオススメです。

訪問介護では、訪問介護員(ホームヘルパー)が自宅を訪問し、以下のような身体介護や生活援助、通院のサポートを行ってくれます。

身体介護が利用できる場面
・食事
・排泄
・入浴

生活援助が利用できる場面
・掃除
・洗濯
・買い物
・調理

※参考:厚生労働省 訪問介護(ホームヘルプ)

また、訪問看護では、看護師が疾患のある利用者の自宅を訪問し、療養上のお世話や診療の補助を行ってくれます。

訪問看護のサービス内容
・血圧や脈拍、体温の測定
・病状のチェック
・排泄、入浴介助
・清拭、洗髪
・在宅酸素、カテーテル、ドレーンチューブの管理
・褥瘡(じょくそう)の処理
・リハビリ
・在宅看取り

※参考:厚生労働省 訪問看護

どちらも、訪問介護員(ホームヘルパー)や看護師が自宅まで来てくれるので、介護のサポートをしてもらったり、介護に関する悩みや相談に乗ってもらうことができます。

「外出ができない」という悩みだけでなく「介護を孤独に行う不安を軽減したい」という思いのある方は利用を検討してみてください。

実際に利用されるときは、地域のケアマネージャーに相談し、内容や金額を確認しましょう。

⑤訪問美容

在宅介護のために外出できない介護者の方へ|利用できるサービス5選

外出とは少し異なりますが「親の洗髪やヘアカットをプロの人に頼みたい」という方は、訪問美容というサービスが利用できます。

訪問美容とは、認知症や歩行困難などで美容室に足を運ぶことが難しい方のところに、プロの美容師が訪問して散髪を行うサービスです。

プロがヘアカットやカラーなどをしてくれるので、まるで美容室で施術してもらっているかのような気持ちを親御さんに味わってもらうことができるでしょう。

また、条件が合えば、介護をしていて美容室に行くことが難しい介護者も同時にヘアカットしてもらえます。

訪問美容では、主に以下のようなサービスを受けることができます。

訪問美容メニュー
・カット
・ブロー
・シャンプー
・お顔のお手入れ
・パーマ
・白髪染め、カラー
・トリートメント

この訪問美容は残念ながら介護保険の対象ではありませんが、通常のヘアカットサービスと大きく変わらない料金で利用することができます。

介護の現場において訪問美容を実施することで、おしゃれや身だしなみに意識が向き、生活機能の向上に繋がるケースも少なくありません。

「親御さんのヘアカットに悩んでいる」「親御さんが昔おしゃれに気を使う人だった」という方や「親の介護で美容室に行けない」と悩んでいる方は、ぜひ利用を検討してみてください。

訪問美容の実際の利用方法や利用条件、利用料金について詳しくは、以下の記事もご覧ください。

→ 【訪問美容】介護が必要な方向けの散髪サービス|利用料金、使い方

外出できない方こそ大切にしたい、介護の休息(レスパイトケア)の重要性

在宅介護のために外出できない介護者の方へ|利用できるサービス5選

ここまでにご紹介したサービスは、介護業界の中でレスパイトケア(介護の休息を支援すること)とも呼ばれています。

レスパイト(respite)という言葉は、英語で「休息」や「小休止」「息抜き」を意味しています。

介護者というのは非常に大切な役割ですが、在宅介護となると、なかなか介護者が休みにくいのが現状です。

そんなとき、デイサービスやショートステイ、訪問美容などの介護サービスを利用することで、介護をしているご家族・介護者自身が休息を取ることができます。

そんな、介護者の休息(レスパイト)を支援(ケア)するという意味合いから、介護・医療・育児・障害分野などで用いられているのが、このレスパイトケアという言葉です。

例えば、上で紹介したサービスの中でも「訪問美容」などは、介護を受けている人自身もヘアカットがお願いできるなど、介護者へのケアが提供されています。

在宅介護は、介護をする側にとっても介護を受ける側にとっても、心身の負担が大きいもの。

ここまでにご紹介したような介護サービスをしっかりと利用し、あなた自身の心身の健康を大切にしながら、在宅介護に取り組んでいきましょう。

レスパイト入院とは

先述したような「介護者の休息」のために、レスパイト入院というサービスが提供されています。

このレスパイト入院は「ご家族だけで介護を抱え込んでしまわずに、適度な休息を取る」ことを目的のひとつとしています。

なので、介護を受けている人に治療入院の必要がなくても、1〜2週間程度の入院を受け入れてもらえ、その間介護者は休息を取ることができます。

レスパイト入院を受けるために、介護度の基準などはありません。
ただし「病状が安定状態にある」「在宅で医療機器を使った介護を受けている」などの条件がある場合があります。

実際に利用される際には事前に予約も必要なので、ケアマネージャーや地域包括支援センターの職員に相談の上、利用を検討してみてください。

まとめ

ここまで、「在宅介護のため、外出できない方が利用できる介護サービス5選」と「介護の休息(レスパイトケア)の重要性」についてお伝えしました。

介護を続けていくためには、介護者自身の心身の健康が何よりも大切です。

デイサービス、デイケア、ショートステイ、訪問介護、訪問看護、訪問美容など、介護のサポートを受けられるサービスはたくさんあります。

あなたが介護でいっぱいいっぱいになってしまわないためにも、ぜひ利用できるサービスを積極的に使ってください。

この記事の情報が、気持ちの余裕を持って在宅介護を続けるための助けとなれば幸いです。

当サイト「GOCHOKI」では、訪問美容に関心ある方に役立つ内容の記事を多数掲載しています。

訪問美容に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

→ 訪問美容「GOCHOKI」のお役立ちコラム