美容師が抱えがちな悩みと対処方法8つ!資格を活かせる仕事も紹介
アシスタント、スタイリストなど、美容師として働いている方の中には、労働時間、給与、キャリアなど、様々な面で悩みを抱えている人も少なくないのではないでしょうか。
そこで今回は、美容師が抱えがちな悩み8つとその対処法についてお伝えします。
また、今の働き方を続けていけるか不安に思っている方には「美容師資格を活かして働ける、サロン以外の仕事8選」もお伝えしますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
美容師によくある悩みとその対処方法8つ
それでは、美容師が抱えやすい悩みと、その対処法について見ていきましょう。
①プライベートの時間がほとんど取れない
労働時間が長い、仕事量が多い、休日も講習が入る、などの要因により、美容師は休みが取りにくいと言われます。
休みが少ないということは、プライベートの時間が取りにくいということ。
ワークライフバランスを取りたい、趣味や家での時間も大切にしたい人にとって、この悩みは大きなものとなるでしょう。
対処方法のひとつとして、今後のキャリアに目を向けるということがあります。
例えば、スタイリストとして美容師としての成長がある、先があると考え「スタイリストになったら、働き方を調整しよう」と決めて頑張ってみることがひとつ挙げられます。
ただし、今すぐ状況を変えたい場合は、転職やサロン以外の働き方を考えてみてもよいでしょう。
例えば、訪問美容師やフリーランス美容師の働き方は比較的プライベートの時間が取りやすいでしょう。
美容師資格を活かして働ける仕事については後述します。
②給料など、待遇面に不満がある
労働時間の長さや残業の多さといった問題があっても、その分、高い給料や昇給があれば頑張れるという人もいるでしょう。
しかし、「頑張っているのに給与や待遇がよくない」となると、多くの人は不満を抱えてしまいます。
対処法としては、経験を積み、より待遇のよい美容室に転職していくことが挙げられます。
美容師のキャリアは転職をしながら積み重ねていくもの。
働く環境を見直しながら、キャリアアップを目指していきましょう。
③手荒れ、腰痛、むくみなど身体に不調が出る
美容師になって最初のアシスタント時代はシャンプーを担当することが多いため、手荒れや腰痛に悩まされがちです。
また、立ち仕事なため、疲労感や足のむくみに悩まされる人も多くいます。
これらは職業病とはいえ、ハンドクリームで保湿する、睡眠時間を確保する、食生活を改善するなどで症状を軽減することができます。
また、コルセットやサポーターをつけて姿勢を保つ、定期的に整体に行き身体の状態をチェックしてもらうなどの対処をすると、症状がひどくなることを予防できます。
④先輩や同僚との人間関係が難しい
「職場での上下関係の厳しさがつらい」
「同期との競争関係に疲れる」
「同僚と相性がわるく、ギスギスしてしまう」
など、人間関係にまつわる悩みもよく聞かれます。
人間関係にまつわる悩みはどの職業でも多かれ少なかれありますが、
「信頼関係のできている他の上司や同僚に相談する」
「仕事として割り切って作業する」
などの対処法が考えられます。
ただし、相談したり工夫してもどうしようもなければ、転職もひとつの選択肢としておいた方がよいでしょう。
⑤お客様に施術するとき、とても緊張する
美容師は、お客様ひとりひとりに責任を持って施術しなければなりません。
そのプレッシャーから仕事中にとても緊張してしまい、「うまく施術できない」「うまく会話できない」という悩みを抱える美容師もいます。
この悩みの対処法には、知識とスキルを身につけることと経験を積むことがあります。
お客様に対面したときの緊張は「うまく施術できるだろうか」「失敗するかもしれない」「うまく話せないかも」という不安からきています。
であれば、それらを不安に思わなくてすむくらい知識とスキルを身につけていきましょう。
知識やスキルは研修でも身につけられますが、会話のスキルは場慣れや経験値が大切です。
何がよかったか、何がよくなかったかを復習しながら、少しずつ慣れていきましょう。
また、先輩美容師も同じような悩みを経験しているはずです。
質問して話を聞いてみるとよい参考となるでしょう。
参考コラム:
→ 美容師に必要なコミュニケーション能力を高める方法は?使える会話のネタも紹介
→ 美容師に求められる接客スキルとは?好印象を与えるためのポイントを紹介
⑥指名数や売上などにプレッシャーを感じる
スタイリストに昇格すると、指名数や売り上げといった数字がプレッシャーとなってきます。
数字が伸びているときはよくても、数字が伸び悩んだり、落ち込んだりすると、そのことに大きな不安を感じてしまいます。
この悩みに対しては、「数字にとらわれすぎない」ことが大切です。
指名数や売り上げが、常に右肩上がりに増えることはありません。
調子が良いときもあれば悪いときもあるでしょう。
なので、指名数や売り上げといった数字ばかりを見続けるのではなく、
「最新のトレンドを把握する」
「施術スキルを高める」
「接客・コミュニケーションスキルを磨く」
といった具体的に努力できることに目を向けて、長期的なスパンで数値目標も達成していきましょう。
⑦後輩の育成が難しい、上手く教育できない
アシスタントの育成は、スタイリストとして働くようになると任される仕事のひとつです。
ただ、急に育成を任されても、ひとりひとり性格やタイプの違うアシスタントに対してどのように教えればいいかわからない、と悩みを抱える美容師も少なくありません。
アシスタントとのコミュニケーションに悩んでいるのであればまず、
「どのように説明すれば理解しやすいか、あらかじめ考える」
「指示は丁寧に、ゆっくり伝える」
「怒らず、冷静に対応する」
「同じことを聞かれても、身に付くまで複数回伝える」
といったことに気をつけてみましょう。
また自分自身がアシスタントだった頃、「先輩にされて嫌だったこと」「先輩に教えてもらえてよかったこと」などを思い返しましょう。
その中でよくなかったことはしないように、よかったことは後輩に伝えていくようにすると、さらによいコミュニケーションが生まれるでしょう。
⑧美容師としてのキャリア、方向性が決めきれない
美容師として働き始めたはいいけれど、今後もずっと美容師を続けていくのかどうか悩んでいる人もいるでしょう。
実際の業務内容や給与、待遇、先輩の働き方を知ったことで、これまでとキャリアの考え方が変わった人もいるかもしれません。
自分のキャリアを見つめ直すときに大切なのは「自分は何をやりたいのか、目指したいのか」「どういった条件が自分にとって重要か」という視点です。
給与、労働時間、休日、仕事内容だけでなく、ライフワークバランス、ライフステージの組み立て方など、日々の生活や自分の人生にとってどういった条件が大切か、紙に書き出してみましょう。
そして、書き出した条件に優先順位をつけてみてください。
優先順位が高いものがわかれば、あなたにとって適切なキャリアがどういったものか目星がつくと思います。
自分だけで考えていると考えがまとまらなければ、何人かの先輩美容師に相談し、それぞれのキャリアステップについて聞いてみるのもよいでしょう。
先輩の考えも参考に、自分のキャリアステップを見定めていきましょう。
美容師資格を活かして働ける、サロン以外の仕事8選
「念願の美容師になったけど、思ったよりきつくて転職したい…」
「美容師を続けてきたけど、このまま今の働き方が続けられるとは思えない…」
と悩む方も、決して少なくありません。
ここでは、美容師資格を活かして働けるサロン以外の仕事について、以下の8つをご紹介します。
①他の美容室
②アイリスト
③訪問美容師
④フリーランス
⑤ネイリスト、エステティシャン
⑥美容メーカー
⑦ブライダル
⑧アパレル
①他の美容室
もっとも直接的に美容師の経験を活かせるのは、やはり美容室です。
「今働いている美容室の労働環境が良くない」「教育体制が整っていない」などの理由で退職を考えている場合は、より良い条件の美容室を探してみましょう。
②アイリスト
美容師の資格が活かせる転職先のひとつに、アイリストがあります。
なぜなら、アイリストは現在、美容師免許が必須の職業となっているからです。
美容師の仕事とも共通する「お客様の希望に合うデザインを考えて、実現したい」という思いを持っている方であれば、アイリストは有力な選択肢のひとつとなるでしょう。
③訪問美容師
美容師には「美容室で働く」という選択肢の他に「訪問美容で働く」という選択肢もあります。
訪問美容とは、高齢や病気などで自力で外出が難しい方の自宅・施設に訪問してカット・カラーなどを行うお仕事です。
美容室での仕事と違い、予約の入っている時間にお客様の自宅や施設を訪問し、施術する働き方になります。
なので、美容室で働くよりも拘束時間は少ない働き方といえるでしょう。
また、お客様に高齢の方が多いので、その点でも通常の美容室業務との違いがあります。
「上記のような条件が自分に合いそうだ」と思う方はぜひ、訪問美容師を選択肢のひとつにしてみてください。
訪問美容師についてさらに詳しくは、以下の記事に記載されています。
<関連記事>
→ 知っておきたい訪問美容師のメリット・デメリット| 収入の話や活動の始め方も解説
→ 訪問美容師の給料はどのくらい?サロンワークとの比較や給料アップの方法も
→ アシスタントからでも訪問美容師になれる?具体的な方法・訪問美容の始め方を解説
④フリーランス
近年、フリーランスで働く美容師も増えてきています。
「労働時間を自分で設定したい」「自分がやりたい仕事に注力したい」といった思いを持つ方であれば、フリーランス美容師が向いているかもしれません。
ただし、フリーランスになることは「お店を持たない独立」を意味します。
美容師としてのスキルや経験が浅い状態でフリーランスになると、お客様の獲得に苦戦してしまうでしょう。
フリーランスの美容師を目指す方は、美容師としての経験やスキルを磨くとともに、Instagramなどで自分のブランディングをしておくことをオススメします。
フリーランスの集客方法には他にも、以下のようなものがあります。
①お客様につないでもらう、紹介してもらう
②モデルハント
③ポスティング・チラシ配布
④SNSで発信
⑤ブログやホームページで発信
⑥予約アプリ
⑦訪問美容
これらの集客方法については、以下記事に詳細が載っていますので、フリーランス美容師に興味がある方はぜひご覧ください。
→ フリーランス美容師の集客方法7つ|成功するために押さえたいポイント
⑤ネイリスト、エステティシャン
サービスを提供して、お客様に喜んでもらう仕事として、ネイリストやエステティシャンも挙げられます。
ネイリストの場合、美容師としての美的センスやデザインセンスを活かして働くことが可能です。
また、エステティシャンの場合、美容師とは少し方向性が違いますが、エステというサービスを通して「お客様に綺麗になってもらう」「お客様に喜んでもらう」ことができるでしょう。
どちらも国家資格などは必要ありません。
入社後の研修や民間資格の取得などでキャリアアップをしていくことができます。
⑥美容メーカー
美容商品の開発や製造、営業、販売などを行う美容メーカーも、転職先として考えられる職業のひとつです。
美容師としてさまざまな美容商品を使っていた経験や、お客様のカウンセリングをしてきた経験が活かせるでしょう。
⑦ブライダル
ブライダルも、美容師のスキルや経験を活かして働ける業界のひとつです。
結婚式場では、ブライダル美容師がヘアアレンジ、メイクなどを行います。
ヘアアレンジでは美容師の経験やスキルをそのまま使えるでしょうし、メイクも「お客様を綺麗にする」という点では美容師の仕事に似た目的を持っているといえるでしょう。
⑧アパレル
アパレル業界では、美容師として培った美的センスやおしゃれに対する感度の高さが活かせるでしょう。
特に、アパレル業界はトレンドを追う力が求められるので、美容業界のトレンドに強い方は向いている可能性が高いです。
また、アパレル業界は、接客スタッフだけでなく、スタイリスト、バイヤー、デザイナーなどさまざまな職種があるので、幅広い選択肢の中からキャリアを選び取っていくことができます。
まとめ
ここまで「美容師によくある悩みとその対処方法8つ」と「美容師資格を活かして働ける、サロン以外の仕事8選」についてお伝えしました。
美容師として実際に働き始めると、働く前には見えなかった色々なものが見えてきます。
この記事の情報が、給与や労働時間、休日数や人間関係などの悩みにうまく対処するための一助となれば幸いです。
また、もしあなたが異業種への転職を考えているようであれば、「美容師資格を活かして働ける、サロン以外の仕事8選」の情報が、新たなキャリアステップの選択肢になることを願っています。
また、本文中で紹介した訪問美容について、当サイト「GOCHOKI」では、訪問美容に関心ある美容師に役立つ内容の記事を多数掲載しています。
訪問美容に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。