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介護しながら働くことはできる?仕事を続けるための支援・サービスを紹介

2024.09.25

介護しながら働くことはできる?仕事を続けるための支援・サービスを紹介

2025年には超高齢化社会*になると言われている現在の日本。
これから先、介護と仕事の両立に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

介護を行っていくためには、主に以下の3つの選択肢が存在します。

①親を介護施設に預け仕事を続ける
②在宅介護をしながら仕事を続ける
③仕事を辞め介護に専念する(介護離職)

ここでは、①②の介護しながら働くための「介護サービスや支援制度」「介護しながら続けやすい仕事」についてお伝えします。

また、「介護が必要になる前にしておくべき前準備」「相談先」についても解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

*超高齢化社会:
2025年には、ベビーブーム世代が高齢者(65歳以上)に到達し、高齢者人口が約3,500万人に達すると予想されている。
認知症患者も、約700万人を超え、65歳以上の5人に1人が認知症になるともいわれている
参考:厚生労働省「今後の高齢化の進展」

介護しながら働くために利用できる制度・介護サービス

介護しながら働くことはできる?仕事を続けるための支援・サービスを紹介

介護しながら働いている方は、ぜひ以下のような制度・介護サービスの利用を検討してみてください。

国も介護離職する人が増えないよう「介護離職ゼロ」を掲げ、様々な施策を打ち出しています。
以下に示す介護休暇や介護休業給付金などもそのひとつです。

参考:厚生労働省「介護離職ゼロ ポータルサイト」

介護休業制度を利用する

要介護状態にある家族を介護する際、介護休業制度を利用して休みを取ることができます。

「同じ事業主に1年以上雇用されていること」などの縛りはありますが、対象の家族1人につき3回、通算93日までの期間、休暇を取得することができます。

介護休業の申請先は事業主となります。事業主は申請を受けた後、介護休業開始日・終了予定日を厚生労働省に通知する必要があるので、早めに相談し、調整をしておくとよいでしょう。

また、介護休業では要件を満たせば「日額賃金×67%」の給付金を受けられます。要件は、以下の3つです。

①休業開始日より前2年間の間、12ヶ月以上雇用保険に加入している被保険者である
②家族の常時介護が2週間以上必要である
③職場復帰を前提として介護休業を利用する

給付金の申請は介護休業の終了日から2ヶ月以内に、会社を通してハローワークで行う必要があります。
会社が申請を行ってくれるケースもあるので、この点も事前に相談しておきましょう。

参考:厚生労働省「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 及び 次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律の概要(令和6年法律第42号、令和6年5月31日公布」
参考:厚生労働省「Q&A~介護休業給付~」

介護施設を利用する

「親の介護を自宅でしながら働くのは難しい」と思っている方も多いと思います。
その場合、介護施設の利用を検討してみましょう。

ただ、介護施設といっても「いったいどんな施設を選べばいいのかわからない」と悩む方が大半です。
そこで、介護の専門家であるケアマネージャーに相談することをオススメします。

ケアマネージャーは、各市町村に設置されている地域包括支援センターなどで働いています。

この厚生労働省のサイトから、あなたのお住まいの都道府県をクリックし、「地域包括支援センターを検索する」をクリックすることで、お住まいの近くの地域包括支援センターを見つけることができます。

地域包括支援センターは、ほぼどの市町村にも1つはあるので、きっと見つけることができるはずです。

お住まいの近くで働くケアマネージャーに相談することで、あなたの地域にある介護施設の選択肢を教えてもらうことができます。

参考:厚生労働省「介護事業書・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム」

在宅介護サービスを利用する

自宅に訪問してくれる介護サービスは以下のようなものがあり、訪問介護員(ホームヘルパー)や看護師が担当してくれます。

・訪問介護(ホームヘルプ)
・訪問入浴
・訪問看護
・訪問リハビリ
・夜間対応型訪問介護
・定期巡回・臨時対応型訪問介護看護

参考:厚生労働省「介護事業所・生活関連情報検索 介護サービス情報公表システム」

訪問◯◯と名前のつくものは、その名の通り自宅まで訪問して介護を行ってくれます。

そのサービス内容は主に、食事、排泄、入浴などの身体介護、掃除、洗濯、買い物、調理などの生活援助です。

訪問看護では、その人の疾患に合わせた対応を訪問看護師が行ってくれます。

介護保険外のサービスを組み合わせる

介護しながら働くことはできる?仕事を続けるための支援・サービスを紹介

上記で示した訪問看護・介護や通所介護を利用することに加え、訪問美容のような介護保険外のサービスを利用することもできます。

訪問美容とは、認知症や歩行困難などで美容室に足を運ぶことが難しい方のところに、プロの美容師が訪問して散髪を行うサービスです。

訪問美容では、主に以下のようなサービスを受けることができます。

<訪問美容メニュー>
カット
ブロー
シャンプー
お顔のお手入れ
パーマ
白髪染め、カラー
トリートメント

→ 「大阪の訪問美容・出張美容・福祉美容サービスGO!CHOKI」

介護しながら続けやすい仕事

介護しながら働くことはできる?仕事を続けるための支援・サービスを紹介

介護と仕事を両立するのは、やはり簡単ではありません。
ここでは、今の勤務先に相談することだけでなく、介護しながら働き続けやすい仕事について紹介します。

まずは今の勤務先に相談する

介護を続けながら働くとき、もっとも理想的なのは「理解ある職場で休みを取得しながら働き続けられること」です。

なぜなら、これまでも働いている勤務先であれば仕事にはある程度慣れているでしょうし、上司や同僚が協力的であれば、負担の少ない仕事に調整してもらえる可能性があるからです。

ただ、理想的な職場は多くはないでしょう。
まずは、上司に「介護のために介護休業は取れるか」「仕事量の調節をしていただけるか」といったことを相談し、様子を見てみましょう。

どうしても同じ職場で働き続けることが難しければ、住居確保給付金雇用保険の失業手当なども利用しながら、介護と両立しやすい仕事への転職を検討してみましょう。

参考:厚生労働省「住居確保給付金」
参考:ハローワークインターネットサービス「基本手当について」

介護職など、介護に理解ある職場

転職する場合には、介護に理解ある職場を探すことになると思います。

面接などで「どのくらい介護に理解を示してくれるだろうか」ということをチェックするのも大切ですが、業界によって「介護に理解ある人が多いところ」と「介護に理解ある人が少ないところ」があります。

特に介護の仕事などは当然、介護に理解ある人が比較的多いので、介護職を検討してみるのもよいでしょう。

リモートワーク、在宅ワーク

リモートワークや在宅ワークも、介護と両立しやすい働き方のひとつです。

介護においては、毎日の食事の準備や、入浴介助、洗濯や家事など、家でやらなければならないことが増えていきます。

家からあまり離れなくても大丈夫なリモートワークや在宅ワークを検討してみるのもよいでしょう。

パートタイム、派遣社員

「今の職場で働き続けるのは難しいし、介護があるので働く時間も十分に取れない」という方は、パートタイムや派遣社員で働きつつ、介護を行うという選択肢もあります。

パートや派遣であれば、シフトで働く時間を決められるので、通院の付き添いや介護サービスの手続きなども行うことができるでしょう。

ただこの場合、給与の減少がネックとなるでしょう。
先ほど「まずは今の勤務先に相談する」でも述べたように、住居確保給付金、雇用保険の失業手当など、できるだけ金銭的な支援を活用しながら、介護と両立しやすい仕事への転職を検討してみましょう。

また、失業・生活困窮の方への制度として求職者支援制度なども存在します。
当てはまりそうであれば、利用を検討してみましょう。

参考:こころの耳「失業・生活困窮などでお困りの方の救済制度(セーフティネット)」

実際に介護が必要になる前にしておくべき前準備

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実際に親の介護が必要になると、ケアマネージャーとのやりとりや介護に関わる事務的手続きなどがたくさん発生し、家族で落ち着いて話し合う時間を持てなくなるケースが少なくありません。

ここでは、実際に介護が必要になる前にしておくと良い前準備と、介護に直面したときにすべきことをお伝えします。

介護をする前

①家族みんなで相談し、それぞれの役割を決めておく

まずは、役割分担が重要です。
事前に役割分担ができていない場合、「あの人ならできるだろう」と、特定の人に負担が集中してしまうことが少なくありません。

特に日本では、女性に負担が集中する傾向にあります。
先に「あなたは家事の係」「あなたは事務的手続きをする係」と役割を決めて割り振っておくことで、納得して協力し合うことがやりやすくなるでしょう。

②介護の方法を、親とできるだけ相談しておく

認知症の症状が進むと、意思疎通が難しくなることがあります。
そのため、親ときちんと話し合いができる内に「どういった介護を望むか」「何を大切にしてほしいか」といったことをできるだけ話し合っておきましょう。

もちろん、全てを望み通りにはできないかもしれません。
しかし事前に希望を聞いておけば、判断に迷ったときの指標ともなるでしょう。

③介護費用の資金をどうするか、分担をどうするか相談する

介護には初期費用、月額費用がかかります。
生命保険文化センターの調査によると、介護費用の平均は以下のようになっています。

・自宅介護の初期費用の平均は74万円。ただし、15万円未満で済んでいる世帯も34%ある。
・自宅介護の月額費用は平均4.8万円。

参考:公益財団法人生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」173、174ページ

介護費用は親の財産から払うことも多いですが、不足する場合には子どもの負担となります。

まずは親の資産状況を把握した上で、足りない分についてどう分担するのか、きょうだいであらかじめ相談しておきましょう。

介護に直面したとき

①職場に介護が必要となったことを伝え、勤務先の「仕事と介護の両立支援制度」を利用する。

②地域包括支援センターのケアマネージャーに相談し、介護保険サービスの利用計画を立てる。

③介護保険の申請は早めに行い、要介護認定前から調整を開始する。

④ケアマネージャーに、状況や悩みを相談しながら介護を行う。

⑤家族や要介護者宅の近所の方々と良好な関係を築く。

⑥「自分の時間の確保」も計画に入れる。

参考:厚生労働省「労働者の方へ」

介護の相談ができる相談先

介護しながら働くことはできる?仕事を続けるための支援・サービスを紹介

介護を続けていると、身体的な疲労だけでなく精神的な疲労も蓄積されていきます。
ここでは、介護に関する相談を受け付けている相談先をお伝えします。

地域包括支援センター

まず一番はじめにお伝えしたいのが「地域包括支援センター」です。

「地域包括支援センター」とは、社会福祉士やケアマネージャー、保健師が配置されている地域ケアの拠点で、介護に関する総合的な相談に乗ってくれます。

令和5年時点で、全国に5,431か所設置されており、あなたのお住まいの市町村の近くにもきっとあるはずです(ブランチ(支所)を含めると7,397か所)。

参考:厚生労働省「地域包括ケアシステム>2.地域包括支援センターについて」

医療機関、介護施設

もし、かかりつけ医などがいれば、そのお医者さんに相談してみましょう。

長年その人を診療してきた医師であれば、小さな症状の変化などにも気づいてもらえるかもしれません。

介護をしていく上で、医師やケアマネージャー、介護施設職員などとの連携は欠かせないものです。頼れる人をできるだけ多くつくっておきましょう。

各自治体の福祉相談窓口、社会福祉協議会

他に、自治体の福祉窓口社会福祉協議会でも相談を受けています。
これらの窓口に相談することで、状況に応じた適切な相談先へ繋いでくれるでしょう。

まとめ

ここまで、介護しながら働くための「介護サービスや支援制度」「介護しながら続けやすい仕事」についてお伝えしました。

また合わせて、「介護が必要になる前にしておくべき前準備」「相談先」も解説いたしました。

介護しながら働く場合、仕事と介護でいっぱいいっぱいになってしまうことも少なくありません。
ですが、介護を続けていくためには、介護から離れ自分の時間を持つことも大切です。

親も自分も無理しすぎず介護を続けていくために、介護サービスや支援制度を十分に活用していきましょう。

当サイト「GOCHOKI」では、本文中で紹介した訪問美容に興味がある方に役立つ内容の記事を多数掲載しています。

訪問美容に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
→ 訪問美容「GOCHOKI」のお役立ちコラム