介護を必要とする方のヘアカットは自宅に美容師を呼べる訪問美容で!
現在、ご自宅で介護を受けているという方はヘアカットにお悩みではないでしょうか。外に出ることが難しい状態だと、髪の毛が伸びてきたときにどうすれば良いのか困ってしまいます。
この記事では介護を必要とする方が、自宅でヘアカットをしてもらえる訪問美容についてご紹介します。
Contents
介護を必要とする方のヘアカットは訪問美容で!自宅にいながらおしゃれに
訪問美容は自宅や介護施設で受ける美容サービスのこと
訪問美容とは美容室へ行くことが難しい方のために、国家資格を取得した美容師が自宅や介護施設を訪問して、ヘアカットやシャンプー、カラーをするサービスです。美容室に行くことなく髪の毛を切ることができるので、利用者の負担が少ないという特徴があります。
ちなみに、訪問美容という言葉の他には出張美容や、理容師が出張・訪問する出張理容・訪問理容という言葉があります。
訪問美容を利用できるのは要介護者や病気で自宅を出られない人
訪問美容サービスを受けられる人は、法律や政令によって定められています。
具体的には、
・病気やその他の理由により、美容室に来ることができない人
・婚礼やその他の儀式に参加する人
・山間部など理容所や美容所がない地域に住む人
・社会福祉施設に入所している人
・演劇に出演し、出演直前に施術を必要とする人
が訪問美容サービスを受けることができます。
加えて、2016年の美容師法改正以降、家族の介護や育児を行っていて外出が困難な方も訪問美容のサービスを受けられるようになりました。
一方、上記に該当せず、美容室や理容室に行くことが出来る人はお店まで出向くことが必要です。
訪問美容でヘアカットを受ける方法とサービスについて
訪問美容をしてもらうための4つの方法
訪問美容を利用する方法は下記の4つです。
・訪問美容をしている事業者に連絡する
・近くの美容室に訪問美容してもらう
・介護事業者に問い合わせて派遣してもらう
・お住まいの自治体に問い合わせる
1つずつ解説します。
■訪問美容をしている事業者に連絡する
上の4つの方法で、最も簡単で確実に利用できるのが訪問美容をしている事業主を見つけて自宅に来てもらうことです。事業者を探すときは、インターネットの検索サービスを利用すると良いでしょう。「訪問美容 地域名」、「出張理容 〇〇市」などのように検索することで、自宅や介護施設に近い業者を見つけることができます。
■近くの美容室に訪問美容してもらう
2つ目は近くの美容室に連絡して美容師に訪問してもらう方法です。この方法では、その美容室が訪問サービスを行っているのか確認する必要があります。訪問美容に対応していれば、美容師を派遣してもらってサービスを受けることが可能です。
■介護事業者に問い合わせて派遣してもらう
近くの介護施設やデイサービスで、事業者と協力して訪問美容を行っていることがあります。施設に問い合わせて、派遣してもらえないか聞くことで訪問美容を利用することができます。
■お住まいの自治体に問い合わせる
お住まいの自治体が訪問美容について費用の助成を行っていることがあります。自分で探すことが難しい場合、自治体に問い合わせて訪問美容をしてくれる事業者を探してみるのも一つの方法です。
サービスと料金
■サービス内容
基本のカットに加えてシャンプーやカラー、お顔そりなどのメニューがあります。その他に、パーマやトリートメントなどをしてもらうことが可能です。
また、美容師を自宅に入れるのが心配という女性もいるでしょう。そのような方は女性の美容師を派遣してくれるサービスを利用することがおすすめです。安心してヘアカットしてもらうことができます。
■サービス料金
メニューごとに訪問美容の料金相場を紹介します。
事業者によって料金は違いますので、ホームページを参考にしたり、お問い合わせのときに料金を確認しましょう。
■サービスの流れ
訪問美容のサービスの流れは以下です。
①お問い合わせ
まず電話やメール、お問い合わせフォームなどで連絡をします。
②事業者からの確認連絡
訪問先や希望時間、メニュー、条件などを確認・調整します。
③ご訪問
指定のご自宅や施設に美容師が伺います。
④カットの準備
施術前にイスやシャンプー台、切った髪の毛が散らないようにシートの養生など、必要な準備を行います。
⑤カウンセリング&カット
希望するヘアスタイルや悩みなどをお伺いして、カットを行います。カラーやパーマ、眉毛のカットなども行います。
⑥仕上がり
カットしたスタイルを確認します。
⑦掃除・片付け
切った髪の毛が残らないように掃除をしたり、使ったものを片付けます。
⑧お会計
訪問した美容師に代金を支払います。支払方法は、事業主によって異なりますので、カード払いなどをしたいという方は予約時に確認しておくと安心です。
1回の施術時間は1時間~1時間30分ほどを想定しておくと良いでしょう。
そして、訪問美容では施術前から施術後の片付けまでしっかりと対応してくれます。
自宅でヘアカットをしたお客様の事例
では、実際にご自宅でヘアカットしたお客様の事例を紹介します。
訪問美容利用者①80代女性の事例
<お客様の状態>
めまいがあって外出しづらく、美容室に長時間いることが難しい
こちらの女性はカットのみの施術をご利用されました。長時間イスに座わることがつらいため、カットする時間を出来る限り短くすることに注意いたしました。娘さんからのご依頼でしたが、施術前は髪の毛が伸びきっており、外出したくないと感じられていました。
しかし、施術後は「これで散歩や買い物に行くことができます」とおっしゃっていました。見た目も綺麗になり、娘さんも喜ばれていました。また、娘さんが喜んでいる姿を見てお客様も大変喜ばれていました。
訪問美容利用者②80代後半の女性の事例
<お客様の状態>
寝たきりで娘さんと同居。家のなかを移動するときには、娘さんが補助をすることでようやく動くことができる。
こちらの女性は外出自粛の影響もあり、3~4ヵ月のあいだ髪の毛を伸ばしていました。症状が重いため座って排尿することができません。そのため排尿のパックを身体につけて生活されており、施術時にもパックをつけたまま対応いたしました。施術時には出来る限りラクな態勢を取れるよう、気を付けながらカットを行いました。
施術前は髪を伸ばしたままになっており、生活に支障がでていましたが、施術後には、「自分のもとの姿に戻れた」と喜ばれていました。
訪問美容利用者③60代男性の事例
<お客様の状態>
言語と身体に不自由がある。自分の意思を伝えるのが難しく、歩くことはできるかが足に麻痺がある。
こちらの男性は外出自粛の影響によって外に出ることができず、訪問美容を利用されました。髪の毛がかなり伸びており、普段の生活でも髪の毛を洗ったりすることに苦労をされているようでした。そのため、さっぱりするようにかなり短く髪を切りました。施術後には「とてもすっきりしました」と喜んでおられました。
初めて訪問美容を利用された方でしたが、既に2回目もご利用いただいています。
訪問美容で喜んでいただけたお客様のビフォーアフター写真紹介
施術させていただいたお客様のビフォーアフターをお写真で紹介します。
女性
男性
お写真を見てもお分かりの通り、施術前に比べてもスッキリされています。
施術後に感想をお伺いしたところ、お二方ともとても喜んでいらっしゃいました。
訪問美容を利用するための準備物と注意点
以上、実際に訪問美容を利用された方の事例を紹介いたしましたが、実際に訪問美容を利用するときに、お客様に準備していただくことや気をつけていただくこともあります。
訪問美容を利用するための準備物
■カットのみの場合
・2~3畳ほどのスペース
・コンセント
・イス
■シャンプー込みのカットの場合
上記に加えて、
・お湯(頭を洗う温度)
を使います。
シャンプー込みの場合、シャンプー台を持参する美容師もいます。一方で、自宅にある洗面台を利用する美容師もいます。利用する事業者やメニューによって異なりますので、事前に確認しておくと、スムーズに施術を進めることができるでしょう。
訪問美容利用時の注意点
準備物の他に注意する点として、
・冷暖房の利用
・流しや洗面台の利用
の2つがあります。
■冷暖房の利用
訪問美容では、お部屋にシートを敷いて髪の毛を切ります。その際、扇風機などを使うと髪の毛が舞ってしまいます。お部屋を綺麗に保ちながら施術をするために、髪の毛が舞わないような冷暖房を準備しておくと良いでしょう。
加えて、夏場は熱中症になる危険性があるので、施術する部屋を冷房で事前に冷やしておくことをおすすめします。
■流しや洗面台の利用
シャンプーに使ったお湯を流すために排水できるところを利用します。施術する部屋にお湯を流すための設備がない場合、他の部屋を使うかもしれません。
部屋が気になる人は、事前に掃除をして綺麗にしておくと良いでしょう。
まとめ
以上、訪問美容を利用するときのポイントについて紹介いたしました。
介護や病気などで外出することが難しい方はたくさんいます。症状や身体の状態によっては依頼しづらいことがあるかもしれません。しかし、お客様の状況に合わせて柔軟に対応してくれる訪問美容師もいます。
ヘアカットに困っているという方はぜひ訪問美容を利用してみてはいかがでしょうか。
この記事では、女性専用 訪問美容室『バンビ』の佐藤みちこ様に取材協力いただきました。
女性専用 訪問美容室『バンビ』のWEBサイトはこちら▶https://michiko-works-banbi.com/